無駄なことでもやりぬく男!芸人・水道橋博士の仕事への姿勢とは?
仕事をしていて「ああ、こんな仕事、いつまで続くんだろうか?」とぼんやりと考えてしまった経験は社会人なら必ず1度や2度はあるはずです。特に、雑用のような仕事を任された時ほど、「こんなことやるために、この会社に入ったんじゃないんだよ」とやる気さえ失いがちです。
仕事で辛い時、やる気を見失った時にこそ、思い出してほしい“仕事人”を今回はご紹介します。その“仕事人”こそ、テレビや雑誌、ラジオで活躍中の芸人・水道橋博士です。
お笑い界の重鎮・ビートたけしを師匠とするたけし軍団に身を置く水道橋博士は、若手時代こそ体を張っての笑いを作っていましたが、実は芸能界随一の頭脳派系芸人なのです。彼が持つ知識・文才の裏には、どのような仕事へのイズムが隠されているのでしょうか?
仕事への気概とサービス精神が結果を生む
水道橋博士は、テレビの仕事以外でも活躍されています。以前、映画関連のトークイベントにて、映画評論家を対談相手に招くことがありました。水道橋博士は、その評論家のことが大好きで、それは「ビートたけし以来、師匠と呼べる人に初めて出会った」と評する程に尊敬もしているようです。
そして、博士はそのトークイベントにて、お客さんにその評論家のことをもっと知ってもらい、もっと好きになってほしいゆえに、自主制作で彼の年表を作ったのです。しかも、その年表は数万字に及びます。何をそこまでやる必要があるでしょうか。いちタレントである博士が、みずからの手で、徒労となるそんな作業をする必要はまったくありません。
しかし、博士には「中途半端な仕事はしたくない」という気概と、「尊敬できる仕事相手を驚かせてやる!」というサービス精神があるのでしょう。結果、そのトークイベントは見事に盛り上がり、大成功をおさめたそうです。
周りの人間から見たら「そこまでやらなくて良いのに。無駄だよ」と思える仕事でも、本人に信念があれば無駄に終わらず結果を残すということではないでしょうか。皆さんも仕事への気概、そしてサービス精神を持って日々の業務に当たってみてはいかがでしょう。
己を鼓舞する「でも、やるんだよ!」
水道橋博士は、仕事をやる上で必ず唱える“呪文”があると言います。その言葉は「でも、やるんだよ!」。これは、漫画家根本敬氏の作品に登場する台詞が原典です。
メインカルチャーではなく、“サブカル”と称される芸能人・著名人はこの「でも、やるんだよ!」精神で仕事に取り組みます。他人からは「絶対に無理だ!」と諭される大計画でも、「無理だからやめる」のではなく、「それでもやる」という単なる気合いにも似たポジティブシンキングでその大計画に挑みます。
皆さんも仕事で、どう考えても一人では処理不可能な膨大な雑務や、プレッシャーに押しつぶされそうな大プロジェクトに就くことがあると思います。そして、心が折れてしまい、途中で投げ出したくなった経験はないですか?
そんな時は、水道橋博士と同様心の中で唱えてみてはいかがでしょうか。「でも、やるんだよ!」と。この言葉を覚えておくと、窮地に立った時でもなんとか頑張ろうと前を向けると思います。
「こだわりぬく」が、博士の仕事への姿勢
そして、最後に特筆しておきたいのは、水道橋博士の仕事へのこだわりについてです。皆さんも仕事をする上でのこだわりをお持ちだと思います。こだわりを持ってこそ、自身ならではの成果を得られ、それはやがて自信に繋がるのではないでしょうか。
博士の名著「藝人春秋」という作品は、彼のこだわりがあらゆるところに散りばめられています。まえがきでは、読点(「、」)を一切使わず美しく読める文章を書いてみせ、毎ページ見開きで見た時に漢字とひらがなの割合が美しい分量にしたそうです。
また、テレビの仕事においても、50歳を過ぎてからは「空気を読まない」ようにしたと仰っています。ご自身の番組は、ありきたりなバラエティ番組の内容にせず、自分がおもしろいと思った人々とともに企画から携わってらっしゃいます。
博士の文筆業、そしてテレビ・ラジオの仕事へのこだわりは誰よりも強く、誰よりも徹底的に感じられます。結果、著書も番組も名実共に素晴らしい作品に至っていると世間からも高評価を得ているのです。
筆者のわたしも、そして皆さんも“ある程度のこだわり”は持っていることでしょう。そのこだわりをどの域まで高めることができるかが、仕事の成果へとやがて繋がるのだと思います。仕事に疲れた時、水道橋博士の仕事への姿勢を思い出して、次の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?