周りを変えるのでは無く、自分を変える!リフレーミングってなぁに?
苦手な相手との間には、自分自身の苦手意識が先入観としてあります。その視点を変えてしまうリフレーミングというテクニックを紹介します。
仕事が終わって、同僚と一杯飲んで遅く帰ったら、奥さんが鬼瓦の様な顔つきで玄関で腕組みをしていたという事はありませんか?
奥さん「一体何時だと思っているの!こんなに遅く帰って来て!最近こういう事多いわよ!朝も寝坊がちじゃないの!」
とすごい勢いで叱られる事。気持ちよく酔っぱらっている気分も台無しで、ついつい反論してしまいますよね。
あなた「仕事の延長で飲みに行くくらいいいだろう!全くうるさいヤツだなぁ!」
なんて言おうものなら奥さんは更にヒートアップ。翌日までの戦争につづくのか、それとも冷戦になるのかはそれぞれの家庭の夫婦関係次第。
なるべくならそんな風になりたくないですよね。しかしそんな時、こう思ってみてはいかがでしょうか?奥さんから叱られた時に、
あなた「(こうやって遅くなっても起きてくれていて、しかも心配してくれているんだろうなぁ。ありがたいなぁ)」
と。そんな風に感謝をして冷静に対応すれば、奥さんもきっと、
「遅くまで仕事をお疲れ様」
という風に思ってくれるかも知れません。つまり、こんな風に同じ状況の中から見方を変える方法を心理学でリフレーミングと言います。リフレーミングによって、否定的な事柄の裏側にある肯定的なものを見出す事が出来れば、仮に苦手な相手と接しなければならない時も上手く対処が出来るというものなんです。
いくつか例を紹介します。
リフレーミングの例1
苦手な人「君の今回の見積もりは他社よりも1割も高かったよ。悪いけど他所に注文するわ」
苦手意識を持ったまま受け取った場合:
あなた「(そんな事をワザワザ言わなくてもいいのに。やっぱりこの人は苦手だわ)」
リフレーミングをした場合:
あなた「(他所より1割高かったっていう貴重な情報を教えて下さった優しい方。今回は他所に出されてしまうけれど、次回の見積もりの参考になって有り難い)」
リフレーミングの例2
苦手な人「ちょっと!そんなに荷物を抱えて階段を降りたら危ないでしょ!それに真ん中を歩いて降りていたら他の人にも邪魔になるじゃない!」
苦手意識を持ったまま受け取った場合:
あなた「(そんな言い方しなくてもいいのに。それに他の人にも邪魔とかっていうのも言い過ぎだろう。ほんとこの人苦手だなぁ)」
リフレーミングをした場合:
あなた「(本当だ、確かに危ないなぁ。危険な事を指摘してくれて、心配もしてくれて嬉しいなぁ。しかも危うく他の人にまで危険な目にあわせる所だった。良く教えてくれたなぁ、感謝しないとなぁ)」
こんな風に、否定的な要素の中にある肯定的な部分を見つけ出してそこに焦点を当てると、良い方向に切り替える事が出来るんです。
リフレーミングを自分に向けて自分の能力に気付く
リフレーミングは対人関係だけでは無く、自分の状況や内面に対しても出来るんです。自分に対してリフレーミングを行う事によって、否定的な事しか考えていなかった部分に新たな肯定的な事実が見えて来て、新たな自分の能力に気が付く事があります。
例えば、「自分は飽きっぽい性格だ」という事に対して、「自分はすぐに新しい事が出来る性格だ」という見方が出来ます。自分に対してのリフレーミングは、自分の状況に対してのリフレーミングと、内面に対してのリフレーミングと分けて考えると分かりやすいです。
自分の状況に対してのリフレーミング
「最近は忙しすぎて息つく暇がない」という事に対しては、「最近は忙しいおかげで毎日充実している」と捉える事が出来ます。
「毎日暑くてクーラーばかりかけている」という事に対しては、「暑いのに涼しい所に居られて有り難い」と捉える事が出来ます。
「最近周りの人からよくいい加減だと言われる」という事に対しては、「周りに指摘してくれる人がいて、本当に有り難いなぁ」と捉える事が出来ます。
自分の内面に対してのリフレーミング
「自分はあの人の様に仕事を上手くする事が出来ない」という事に対しては、「近くに良いモデルがいるので、あの人を目指す事が出来る」と捉える事が出来ます。
「最近太って来て困っている」という事に対しては、「太っている方が親しみやすい」と捉える事が出来ます。
「最近何だか毎日イライラして仕方がない」という事に対しては、「イライラした時の対処法を編み出すきっかけになりそうだ」と捉える事が出来ます。
こうして否定的な要素から肯定的な事柄を見出す癖をつけ、自分に対してのリフレーミングを行えば、自分自身を研鑽する事にもつながります。自分が今まで否定的に思っていた事を洗い出して、新たな能力を開発してみては如何でしょうか?