名人による江戸落語は、何の準備もいらない誰にでも楽しめる娯楽
60年世代なので、高度成長期まっただ中、テレビでは、連日落語をやっていた。親が新しもの好きで、東京オリンピックの時から、テレビあった。もう毎日観てたね。落語に、野球に、プロレスに、テレビドラマにアニメ、アメリカの各種ドラマが連日放送されていて、毎日観てた。
TBSで過去やってた、劇作家の榎本滋民さんと、山本アナの落語特選会がよかった。30年続いたそうですが、榎本さんは後年ご自宅の火事で亡くなられたそうで、残念です。今でも落語研究会という番組があります。もちろん落語は、毎日観ていたけど、もう覚えてはいない。まあ子供だったからね。でも、各局落語の番組は必ずあった。
いまは実力のある落語家は多いけど、どうしても昭和の3大名人を継ぐ方がいない。
志ん朝さんが自分も大好きで、あの明るい正統的落語をずいぶんと聴いていた。周りも、志ん朝さん本人も、そろそろ「志ん生」を継いだ方がいい、自分も是非継いで欲しいと思ったものです。しかしあっという間に夭逝してしまった。とっても残念です。
あの頃は昭和の大名人として、今の平成の名人が出るといい。というのは、辛口の評論家からは、志ん生と圓生は、モノにならない、と言われてた。でも後に、いやー自分の見方が間違っていたね、と圓生と談笑してた。
ある方も、圓生は、慰問落語で満州から帰国してから、それまでとは打って変わってすごみが増していた、と言ったね。
私は圓生さんのファンだけど、あの聴いていてもその情景とか、生きている人物が目前に見えてくる技があった。やっぱり落語家は、古典からスタートすべきで、そこから新作になるといい。
実は、歌舞伎と落語は、つながりがあって、落語では歌舞伎の話がうんとあって、落語ネタが歌舞伎演目にかかることもある。
たとえば『芝浜』『文七元結』は、有名な落語ネタの歌舞伎演目。芝浜は、いわゆる3大噺で、客席から言葉を頂いて落語の噺にする。たしか「酔漢・芝浜・革財布」だった。落語でもずいぶん掛かり、歌舞伎や映画にもなってる。
落語の歌舞伎ネタは、有名なのが『淀五郎』『中村仲蔵』かな?落語は知らなくても聴けるけど、歌舞伎は、あらかじめ内容をかいつまんで知っていた方が良い。
古典と言うほどではなく、落語と歌舞伎は、ただ楽しめれば良い、それだけ。