ラグビーのルールなんて簡単!日本でのW杯開催に向けて覚えよう④
反則について
前回からの続き。今回は反則について説明します。ラグビーに反則は付き物です。反則の度合いによって罰則が与えられます。罰則とは、相手チームのボールから試合を再開する、ということです。
なお、ラグビー独特のルールとしてアドバンテージ・ルールというのがあります。反則が起きてもレフリーはすぐには笛を吹かず、試合の成り行きを見守ります。もし反則された側が利益を得れば、反則を取らずにそのまま試合を続行します。つまりラグビーでは、できるだけプレーを継続するようなルールとなっているのです。逆に言えば、プレーの継続を妨げる行為が反則となります。
もう一つ、ラグビーの大原則はボールより前の選手がプレーしてはいけない、ということです。ボールを前にパスすることすら許されない、というのが大きな特徴です。
罰則
①スクラム
軽微な反則が起きた時にスクラムが組まれます。もっとも、反則がなくてもスクラムが組まれることがありますが、ここでは割愛します。スクラムの方法については、前回を参照してください。
②フリー・キック(FK)
FKは中度の反則の時に行われます。どんな方法のキックでもよく、また誰が蹴っても構いません。ただし、直接ゴールを狙うことはできません。なお、スクラムを選択することも可能です。
また、FKは反則以外でも、フェアキャッチの時にも行われます。フェアキャッチとは、相手がキックしたボールを自陣22mラインの内側で「マーク」と叫んでダイレクトキャッチすることです。この場合のFKはフェアキャッチした本人が蹴らなければなりません。
③ペナルティ・キック(PK)
PKは重度の反則があった場合に行われます。サッカーのPKはペナルティ・エリア内での反則に適用されますが、ラグビーでは場所は関係ありません。FKと同じでどんな方法のキックでもよく、スクラムを選択することもできます。
PKには大きな特典があります。普通のキックではタッチに蹴り出すと相手ボールのラインアウトとなりますが、PKに限りマイボール・ラインアウトとなります。さらに、普通は自陣22mの外側から直接タッチに蹴り出すとダイレクト・タッチとなって蹴った地点に戻されますが、PKの場合は地域を進めることができます。
さらに初回で説明したペナルティ・ゴール(PG)を選択し、プレースキックで直接ゴールを狙うことができ、決まれば3点です。
④その他
守備側の反則がなければトライだった、と判断されれば、ペナルティ・トライとなって5点入ります。コンバージョン・ゴールは中央から行います。
悪質な反則があった場合は、その反則を犯した選手にイエロー・カードが出され、シンビンといってその選手は10分間の一時的退場となります。より悪質だった場合はレッド・カードとなり、その選手は退場となります。
主な反則
反則の種類を全て挙げることはとてもできませんので、よく起こる反則について説明します。
①スクラムとなる反則
●スロー・フォワード……ボールを前にパスすること。
●ノック・オン……ボールが手または腕に当たって前に落とすこと。
●ノット・ストレート(ラインアウト)……ラインアウトでボールを真っ直ぐ投げ入れないこと。ラインアウトを選択することもできます。
●アクシデンタル・オフサイド……ボールを持った選手が、前にいる味方選手に偶然当たること。
②FKとなる反則
●ノット・ストレート(スクラム)……スクラムで、ボールを真っ直ぐ投入しないこと。
●アーリー・プッシュ……スクラムで、ボールを投入する前に押すこと。
③PKとなる反則
●オフサイド……ボール、あるいはオフサイドラインより前にいる選手がプレーすること。例えばキックしたボールに対して前方の味方選手がプレーすればオフサイドとなります。オフサイドの定義を全て挙げると煩雑になるので割愛しますが、オフサイドがわかればラグビーの半分以上が理解できます。
●オーバー・ザ・トップ……ラックなどでボールの前方に倒れ込むこと。
●ノット・リリース・ザ・ボール……タックルが成立してもボールを放さないこと。
●ノット・ロール・アウェイ……タックルが成立したあとに、ボールの傍から退かないこと。
●ノーボール・タックル……ボールを持っていない選手にタックルすること。
●オブストラクション……ボールを持っていない選手のプレーを妨害すること。
●コラプシング……スクラムを故意に崩すこと。
●ハンド……スクラムやラックの中でボールを手で扱うこと。
ラグビーを見よう!
4回にわたりラグビーのルールを簡単に説明しましたが、いかがだったでしょうか。まだまだ全てを紹介しきれていませんが、基本的なルールを覚えたら、あとはとにかくラグビーを見ることです。最近では場内放送でも説明してくれるので、自然と覚えられます。
ラグビー観戦の手助けになれば望外の喜びです。
《完》