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プロレスラーと相撲取り、珍名対決で軍配が上がるのは相撲取り!?

面白いリングネーム

プロレスラーの名前を「リングネーム」というが、中には面白いリングネームのレスラーもいる。インディー団体に多く、特に大阪プロレスには

「えべっさん」
「くいしんぼう仮面」
「タイガースマスク(タイガーマスクではありません)」
「タコヤキーダー」
「ビリーケン・キッド」

など、さすがに笑いの本場らしく珍名レスラーが揃っている。インディー団体では他にも

「しゃちほこマシーン」
「SMレボリューション」
「NGハマー」

など、お笑いを前提としたリングネームが目白押しだ。メジャー団体だとそんなおふざけは許されない、と思うかも知れないが、決してそんなことはない。国際プロレスのエースだったストロング小林(金剛)はデビュー当時「覆面太郎」というマスクマンだった。ふざけているのかどうかは知らないが、ちっとも強そうじゃない。

格闘プロレス団体・UWFなどでレフェリーを務めた北沢幹之は現役時代、日本プロレスで「高崎山猿吉」と名乗っていたこともあるし、同じ日本プロレスのユセフ・トルコ(本名:ユセフ・オマー)はトルコ人という理由だけで力道山から「トルコ、トルコ」と呼ばれ、そのままリングネームとなった。

これでは日本人レスラーが海外で「ジャパン」と呼ばれるようなものだが、似たような例は他にもあって、アントニオ猪木はアメリカ修行時代「リトル・トーキョー」というリングネームだったこともある。ジャイアント馬場はアメリカで「フランケンシュタイン・ババ」と名乗ったりしていた。プロレスは基本的にエンターテインメントなので、こういうことは多々ある。

プロレスラーよりふざけている相撲取り!?

相撲の場合は土俵での名前を「四股名」と呼ぶが、伝統と格式を誇る大相撲ではプロレスラーのようなふざけた名前は許されない、と誰もが思うだろう。ところが実は、相撲取りの方がふざけた四股名が遥かに多い。

「日本の伝統を踏みにじるふざけた四股名があるとは、最近の力士はケシカラン!」などと憤慨する年配の好角家がいるかも知れないが、これはとんでもない話で、昔の力士の方がよっぽどふざけているのだ。そんな珍名四股名を見てみよう。

●不了簡綾丸(ふりょうけん・あやまる)<明治・序二段>
●三毛猫泣太郎<明治・序の口>
●横巾楯之助(よこはば・たてのすけ)<元保・幕下>
●馬鹿の勇介<明治・序二段>
●ヒーロー市松<明治・見習い>
●自転車早吉<明治・序二段>
●自動車早太郎<明治・序二段>
●文明開化<明治・三段目>
●新刑法源七<明治・三段目>
●電気灯光之助<明治・幕下>
●軽気球友吉<明治・三段目>
●一匡(かずはじめ・はじめ)<昭和・幕下>
●九(いちじく)九之助<明治・小結>
●い(かなはじめ)多理<明治・幕下>
●子(えとがしら)音二郎<明治・三段目>
●おだやか常吉<明治・序二段>
●三ツ△(みつうろこ)鶴吉<明治・見習い>
●猪シ鍋吉<明治・十両>
●凸凹(でこぼこ)太吉<明治・三段目>
●轟亘(とどろき・わたる)<昭和・幕内>
●一二三山四五六(ひふみやま・よごろく)<明治・見習い>
●忍山色助(しのぶやま・いろすけ)<享保・幕内>
●膃肭臍(おっとせい)市作<明治・三段目>
●豆鉄砲芳太郎<明治・序二段>
●百足山(むかでやま)千太<明治・序二段>

とまあ、実に多士済々である。ほとんどが幕下以下で、関取になるのを諦めてせめて四股名だけでも目立つものを、と考えたのだろうか。昔の人の方がよほど遊び心があったのかも知れない。

それにしても、明治時代になって西洋文化が入り込んだからといって、大相撲でヒーロー市松って……。現在なら外国人力士でも「把瑠都」などと漢字を当てるのに。当時の行司は「ひがぁ~し~、ヒ~ロ~いち~ま~つ~」なんて呼び出していたのだろうか?しかも見習いって、全然ヒーローとちゃうがな!

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