相手の発言をオウム返しするのは失礼?実は良いテクニックなのです
会話の中で相手の発言をオウム返しするのは失礼なのでしょうか?実はこれはバックトラックという心理学のテクニックです。バックトラックで信頼関係を深めましょう。
バックトラックとは?
バックトラックとは、いわゆるオウム返し。相手が言った言葉をそのまま相手に返す事で、心理学的に信頼関係を築く事が可能になるテックニックなのです。
例えば「昨日は本当に暑くて眠れなかったよ」という話に対して「そうでしたか。昨日は暑くて眠れなかったんですね」と返すのです。
バックトラックの色々な実践例
こういったテクニックは頭で理解していても、なかなか普段の日常のシーンでぱっと出てこないものです。ここでは様々な実践例を紹介しますので、ぜひ沢山の例をご覧になって慣れて下さい。
・恋愛のシーンにて
恋人「最近面白い映画を見てさぁ、もう感動しちゃったよ」
あなた「へぇ、面白い映画を見たんだね。どんな映画だったの?」
恋人「恋愛ものの映画で、ラストシーンがとても感動的だったの」
あなた「恋愛ものの映画を見たんだ。どんなラストシーンで感動したの?」
恋人「引き裂かれた二人が運命の再会を果たして、幸せに暮らしていくっていうハッピーエンドだったの」
あなた「なるほど。運命の再会を果たしたんだね。良い映画だったみたいだね」
という具合に、全ての返答にバックトラックを使ってみました。相手の言葉を自然な感じで反復して下さい。
・ビジネスシーンにて
顧客「そしたらこの見積もり分は君の所に発注するよ」
あなた「有難う御座います!この分をご発注頂けるんですね!」
顧客「ちゃんと提案してくれたし、見積もり後のフォローもしっかりとしてくれて、質問にもキッチリと対応してくれたからだよ。うちも今後この商品の展開をしていかないといけないし」
あなた「この商品を展開して行かれるんですね。弊社でお力になれる事はしっかり頑張ります」
顧客「そうなんだよ。この商品が今後の主力になると思うよ。その為には仕入先さんと良い関係を築きながら、しっかりとエンドユーザーさんに喜んでもらえる様にしないといけないので、今社内体制を変えているんだよ」
あなた「社内体制を変えられているんですか?それは大変ですね」
顧客「そうなんだよ。お陰で毎日遅くまで残業してるんだよ」
あなた「へぇ。毎日残業されてるんですね。いつも何時頃まで残業されてるんですか?」
顧客「だいたい22時~23時くらいまで残業しているよ。へたをすると終電ギリギリの時もあるんだよ」
あなた「えー!終電の時もあるんですね。お疲れが出ません様に」
という風に、このパターンも全てにバックトラックを使ってみました。不自然にならない様に気を遣って、自然にオウム返しを仕掛けて下さい。
・交流会の名刺交換などの初対面の時に
相手「初めまして、○○と申します。ITコンサルをやっております」
あなた「初めまして、○○と申します。へぇー。ITコンサルをされてるんですね。私は旅行会社への営業をしております」
相手「そうなんです。ITコンサルをしてまして、法人企業さんや個人さん問わずに、細かい所まで相談にのってもらっているんですよ」
あなた「法人も個人もされてるんですね。景気はどうですか?」
相手「まぁ余り景気の影響は受けにくいです。細やかな対応がご好評いただいているおかげで、ほとんどの仕事が紹介で成り立っているので、紹介を頂きながらお仕事をしているんです」
あなた「すごいですね。紹介で成り立っているのですね」
相手「そうなんです。やはり人の有り難さと言いますか、仕事は人で成り立っているんだなと感謝ですよ。やはり仕事は繋がりを大切にしないといけませんね」
あなた「そうですよね。繋がりって大切ですよね」
ここでも全てにバックトラックを使いました。初対面の時のコミュニケーションは、まだ信頼関係が無い所からスタートですので、ぜひ自然な感じで使ってみて下さい。
相手が使っていないかを意識する
こういう心理学のテクニックを知っている人は、もちろんあなただけではありません。相手も知っている場合がありますよね。そんな時、コミュニケーションを意識していると、相手がバックトラックを使っている場合があります。特に営業職の人だと、こういうテクニックがあると知って使っている人も、トークマニュアルによって知らずに使っている人もいます。
そういう意識で会話をすると、相手がこういった事を勉強しているのか、こういった事を流用したマニュアルなどに触れているのかが分かります。そこから新しい会話が生まれるかも知れませんね。