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おだやかな人間関係をめざす人の基本テクニック。アサーション

おだやかな人間関係をめざしてコミュニケーションを取るには、相手を思いやる必要があります。そんな時、相手を思いやりつつ自分の思っている事を伝えるアサーションという手法が役立ちます。

アサーションとは?

人は自分の言いたい事を全て上手く表現する事は不可能です。そのために誤解が生じて喧嘩になったり、人間関係にヒビが入ってしまったりと、表現一つで人間関係に影響を与えます。

そんな時に相手の事を思いやりながらも、自分の主張もする表現方法をアサーションと言います。表現方法には3種類ありまして、攻撃的な表現と、非主張主義な表現、そしてアサーティブな表現があるのです。

3つの表現方法

攻撃的な表現:自分の事だけを考える表現で、攻撃的な表現。

「何でそんなミスしてんだよ!俺が上司に怒られるじゃないか!」

「今日は映画に連れて行ってくれるって言ったじゃないの!また約束破る気?」

「同行に行くって言ってるのに寝坊ってどういう事だよ!」

非主張的な表現:相手の事を最優先して、自分の主張はほとんどしない。

「(嫌な顔をして、本人から目線をそらす)」

「(悲しそうな顔で自宅のテレビを見ている)」

「(深いため息をついて見えなかったふりをする)」

アサーティブな表現:相手に配慮しつつも、自分とも向き合って表現。

「君がミスをするなんて珍しいね。今後は気を付ける様に」

「忙しいんだね。大丈夫?でも今度こそ映画に連れていてね」

「寝坊するなんて疲れているんだね。でも今度からは寝坊しない様に気を付けなよ」

この様に、アサーティブな表現によって、自己主張しながら相手にも配慮をして、思っている事を誤解無く表現する事が出来ます。また、相手に誤解が無い様に伝達する方法を意識する必要があります。行動と言葉が一致しない人が時々いらっしゃいますが、そういう人の事をダブルバインドと呼び、相手に対して正確に伝えたい事が伝わらなくなります。

ダブルバインドの例

・頼まれごとをした時に、いくらでも頼んでもらって大丈夫ですよ、と不機嫌そうな顔で言われたら、頼んでいる人から見ると、嫌がっているのか、前向きなのかが分からない。誤解が生じやすい。

・仕事に遣り甲斐があります、と嫌そうな顔をして言われても、本当に遣り甲斐を持っているのかどうかが分からない。

・また絶対遊びに来てね、と不機嫌そうな顔で言われても、遊びにいっていいものかどうか分からない。

この様に、表現というのは言い方や行動との整合性をしっかりと認識をしておく必要があります。自分への配慮の様にも見えますが、誤解無く相手に話したい事を伝えるためには、相手への配慮も重要になってきます。相手の気持ちを配慮して話すからこそ、相手も聞く耳を持ってくれます。

一方的に感情任せに話すと、相手は耳にフタをするでしょうし、全く主張をしなければ、相手には何も伝わりません。このアサーションのテクニックを普段の会話に取り入れて、実践してみて下さい。

では、アサーションを使って人を育てる方法を紹介します。アサーションは、人に対して具体的に物事を考えさせるきっかけになるテクニックでもあるんです。先ほどの例題を使って、部下を育てるためのアサーションを実践します。

「何でそんなミスしてんだよ!俺が上司に怒られるじゃないか!」

「同行に行くって言ってるのに寝坊ってどういう事だよ!」

アサーションは、行動、影響、感情で実践します。

「君がそんなミスをすると(行動)、僕も含めた多くの人に迷惑が掛かる(影響)。とても残念だよ(感情)」

という様にすると、失敗の因果関係がはっきりとし、本人は具体的に対策を考えやすくなります。

「同行の日に寝坊して来るなんて(行動)、ワザワザ時間を取って下さったお客様に多大なご迷惑をかけたよ(影響)、さすがにガッカリしたよ(感情)」

同じく、行動、影響、感情を使用します。

アサーションは無理に使わなくても良い

アサーションの重要性を説くと、アサーション以外の表現を使ってはいけなくて、アサーションを使わなくてはいけないと勘違いをされるかたもいらっしゃるかも知れません。

しかし、無理に使う必要はありません。表現というのは、こんな時はあえてこちらの表現が必要とか、こういう場合は言わないでおこうとか、そういった要素も大切なのです。上辺の表現や、こういったテクニックだけで量れないのが人間関係。要は相手とお互い尊重しあえるのかどうかが重要です。

自分の主張をしすぎても、相手の主張を聞きすぎても、お互いが尊重しあえていれば、トラブルを引き起こす様な事にはならないでしょうし、本当はこういう事が言いたいんだろうけど、たまたまこういう言い方になったんだなという場合もあります。

アサーションという基本を手に入れてそれに慣れてくれば、その慣れた状態で一旦ご自身の好きな表現をしてみて下さい。きっと自然とアサーティブな会話が出来ている筈です。

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