「男は落ち込まない」なんて逆効果!堂々と落ち込んで回復しましょう
働いていて、ただの一度もミスをしないビジネスマンはまずいません。そのミスが大きなものであれ小さなものであれ、人が完璧な存在ではない以上、絶対にミスは起こってしまうものなのです。
ミスをしてしまったり、そのせいで上司から叱責されると、どうしても気分は落ち込んでしまいますよね。とはいえ、大人の男として職場で落ち込む姿など見せられない、と力んでしまっているのではないでしょうか。
実はそういったやせ我慢が仕事のパフォーマンスを低下させてしまう、非常に逆効果な努力なのです。
「全く落ち込んでなんていないさ」と強がるよりも「ああ、やってしまった…」と思い切り落ち込んだ方がしっかりと自信も気分も回復出来ます。
今回は、自分の感情を押し込めず、素直に出すことのメリットをお伝えいたします。
落ち込まないのは不可能
そもそも、仕事で大なり小なりミスをしてしまった後、落ち込まないというのは「不可能」です。もし、これまで一度も落ち込んだことがないという人がいるならば、その人は奇跡的なまでに精神的にタフな天才か、自分のミスを一切省みることのできないダメ人間に違いありません。
真面目な性格の人、気弱な人ほど気にしてしまうのがミスというものです。ビジネスにおいてミスをするということは、取引先や上司、同僚などに迷惑を掛けてしまうことにも繋がるからです。
そのため、複雑な人間関係の中で働いているビジネスマンとして、「落ち込まない」という姿勢を保つことは困難です。
重要なのは仕事で失敗をしたことではなく、あなたが落ち込むかどうかでもなく、失敗した後どうするかということなのです。
落ち込んでいないフリをするのはやめよう
無理というものは、例え小さなものでも積み重ねていけば、いずれ大きな歪みになってしまうものです。「落ち込んでいないように振る舞う」ということは、まさに自分の本当の感情やショックを押し殺して無理をしている状態。
確かに大人として、一人の男性として、プライドなどもありますので、そうやすやすと人前で思い切り落ち込むことは出来ません。しかし、だからと言って落ち込んでいないフリをするのは自分に負担を強いてしまうことなのです。
落ち込んでいないフリをするということは、自分で自分に嘘をついている状態でもあります。
落ち込むということは精神的に傷ついているということですよね。心の傷も、体の傷と同じように治療が必要なのです。
転んで怪我をした時に痛いと言うことが出来ない、あたかも怪我などしていないかのように振る舞っていて怪我の治療をしないでいれば、傷口にばい菌が入り悪化してしまいます。
ごく軽傷ならばそれでも何とかなるのでついやってしまう訳ですが、だからといって傷口を消毒もせず、痛い体をかばいながら、それを気付かれないように働いていては、治るものも治りません。
何より、元々持っているパフォーマンスすら発揮することは出来なくなってしまいます。
たとえ目に見えない、落ち込みという「心の傷」であっても、きちんと痛いと声を上げ、適切に治療しなければ後悔することになるのです。
落ち込むというのは必要なプロセス
ミスをした時、人間は同時に二つのことを考えます。「否認」と「認識」です。
そんなはずじゃない、こんなミスをしたはずがない、覚えがない、とミスしたことを理解出来ているものの、それを認めたくないという感情が「否認」。ミスをしたという事実をありのまま受け止めるのが「認識」です。
ミスをして落ち込むということは、自分のやったことや現状を否認せず、逃げずにきちんと認識するということです。
人はミスをしたと認識するからこそ落ち込みます。ミスをしていなければ落ち込むことはありません。思い切り落ち込むということ、それそのものが現状を正しく認識し、次のミスをなくすために必要なことなのです。
逆に落ち込まないように強がっているといつまで経っても正しい意味でミスをしたこと、ミスをした原因を自分自身で理解することは出来ません。ミスしたという現実から目を逸らしているからです。
例え目を逸らしていても、日はまた上り、次の仕事がやってくるのがビジネスマンの日常です。失敗したということにきちんとケリをつけるためには、一度素直に落ち込むことが必要なプロセスなのです。
落ち込むことで、周囲と認識を共有出来る
あなたは、ミスをした後反省した様子もなく働いている相手をフォローしてあげよう、アドバイスでもしてやるか、と思いますか?
残念なことに、そこまでお人好しな方は多くはないでしょう。人前で強がらず一度きちんと落ち込むということは、自分が正しくミスを認識すると同時に、周囲の人たちに対して「ミスした事実を受け止めている」という意思表示することでもあるのです。
いつまでも落ち込んでいられるというのは面倒に感じるものですが、ミスをして全く落ち込まないというのも反感を買います。自分、そして周囲の人にも区切りをつけるために落ち込むことを選びましょう。