高価な器具を買わなくても出来る、お金のかからない筋トレ法!
腕力に自信がある人もそうでない人も、効果的な筋力トレーニングの極意について考えていきましょう。
筋力のあれこれについては、意外と発展途上にある研究テーマもあるようですが、最近では、極端な筋力の不足は寿命にも悪い影響を与えるということが明らかになりました。
筋力がないから即早死するというふうに判断するのは、いくらなんでもせっかちかもしれません。ただ、心臓や肺など重要な臓器を動かすためにも、筋力というものは大きな役目を果たすので、自分の体をいたわる意味でも、適度に身体を鍛える努力は必要なのです。あくまで、自分にとって無理のない範囲でね。
ただ、本格的に筋力トレーニングを始めるとなれば、それなりに道具をそろえる必要があるのではないかとか、けっこうな経済的負担を強いられるのではないかとか、いろいろなことを不安視する人がいます。
断言しますが、よい道具をそろえるに越したことはありません。形から入れと言っているわけではありませんが、例えばアマゾンなど大型の通販サイトにアクセスすれば、たくさんのトレーニンググッズを一覧することができます。数百円から万単位まで、お値段はピンキリです。
あなたがもし本気で筋力トレーニングに励みたいのであれば、お財布の中身と相談したうえで、購入を一考するのもありかと。
ただし、トレーニングに慣れていない状態で、むやみに道具類だけをそろえるのは感心できません。形から入れと言っているわけではないと、すでに示した通りです。
とりあえずは、身近にあるもので、お手軽な筋力トレーニングを始めてみて、身体を「慣らす」というところから始めてみましょう。今回、この場を借りて紹介するトレーニングは、ビギナーにぴったりなものばかりですよ。
二の腕を太くしたい!
腕を太くしたいのであれば、やはりダンベルを購入して、解説書の指示に従いながら毎日コツコツとトレーニングを積むのがベストです。でも、ダンベルってけっこう高いんですよ。やっぱり最初のうちは、できるだけコストをかけずにトレーニングしたいと考える人が多いはず。
そんな人にお勧めなのが、ペットボトルを代用するやり方です。カンのいい人なら、この一言でピンとくるでしょう。トレーニングに最適なのは二リットルのペットボトル。これに水道の水を満たして、ダンベルの代わりに用いるのです。二キロのダンベルで運動していることと同じ原理ですからね。
重量が物足りなければ、ガムテープかビニールテープで、複数のペットボトルをつなぎ合わせれば、自分の筋力に合わせて重量を調整することが可能です。
そのほか、お米の入った袋をダンベルの代わりにするという方法もあります。これで、五キロから十キロの負荷を計算できますよね。
ただし、個人的な失敗談を披露すると、お米の袋は乱暴に扱うと破れるというリスクがあるので、トレーニングの道具として米袋を利用する際には、くれぐれも注意してください。
私の場合は、十キロ分のお米を、米櫃(密閉できるタッパー)に移し替えて問題を解決しました。よろしければ参考にしてください。
リーズナブルな「ハンドグリップ」を活用
またもや個人的な体験談を披露する形になってしまい申し訳ないのですが、私は趣味でギターやベースなどをたしなむ関係上、両手の握力が欠かせません。
すでに紹介したペットボトルのダンベルは主に二の腕を鍛えるものなので、握力を効率よく鍛える方法はないものかと模索していた矢先、通販サイトで、ハンドグリップというものを見かけました。
その名の通り、掌で「握って」それから「開いて」の動作を繰り返す目的で開発されたトレーニング器具。筋力の個人差に合わせて、負荷が細かく調整された形で商品が出ているほか、少々高価になりますが、ひとつあれば自在に負荷を調整できるダイヤル式のものもあります。
ハンドグリップは、最も安いもので500円程度ですから、これなら試しに買ってみてもいいかな、という気分になりました。結果的に重宝していますよ。
また、数値的な目標が見えると人間はやる気になる生き物なので、どうせハンドグリップを購入するなら、合わせて握力メーターを購入するとよいでしょう。
私はデジタル式のものを、千円程度で購入しました。アマゾンで購入する場合、商品の値段が細かく変動するので、安くなったタイミングが狙い目です。
どうしても鍛えにくい、手首……
手首のトレーニングは、意外と盲点です。普通にダンベル運動を繰り返しているだけでも、ある程度まで効果は期待できるのですが、望むだけの負荷がダイレクトに手首まで伝わっているかどうかというと、実のところ微妙な問題です。
今回は、「腕の筋力を鍛える」ということをテーマに、情報をお届けする形になったので、最後に一つおまけとして、手首の鍛え方を紹介しておきましょう。実はこのトレーニングにおいても、ペットボトルのダンベルが大いに力を発揮します。
トレーニングの手順は以下の通り。
1.食卓や事務机のようなものを準備。
2.手のひらを上に向けて、自分の腕を机に載せます。この時、肘の角度はだいたい90度にしましょう。
3.手首から先の部分だけを、テーブルの淵からはみ出します。
4.その手にペットボトルのダンベルを持って、手首だけを動かしてダンベル運動を繰り返します。腕はテーブルにひっつけたまま。
何キロ分の水を詰めて運動するかにもよりますが、これは意外と大きな負荷がかかります。普段から、手首という部分あまり酷使していなかったのだということが切実によく分かると思います。
筋トレの些細なポイント
末尾に一言おまけとして、ここまでで取り上げなかった、筋トレの些細なポイントを紹介します。
★ 自分に最適な負荷のハンドグリップを選ぶコツ。
一般論として、自分の握力に対して70%から80%の負荷がかかるハンドグリップを用いて、毎日くじけずにトレーニングすることが有効。やがて慣れが出てきたら、十回続けて握るのが精いっぱいだ、というようなグリップにも挑戦してみましょう。
ハンドグリップを用いたトレーニングは、通勤・帰宅途中の電車内でも気軽にできるので、毎日が忙しいビジネスマンにこそオススメです。ただし、筋肉痛にはご注意。
★ 声を出すことと、呼吸を意識することの重要性。
基本的に、人間の身体は大声を出すことで筋力が発揮できる構造になっています。テレビで砲丸投げやハンマー投げなどの陸上競技を観戦していると、選手たちが次々と雄たけびを上げるのは、このことが大きく関係しています。
また、筋力トレーニングは有酸素運動ですので、意識的に息を大きく吸って吐くリズムをつかめば、効率的にトレーニングを続けることができるはず。息を止めている時と、大きく吐き出す時、このタイミングで、筋力はいかんなく発揮できるのですよ。
次回にまた別の機会があれば、下半身を効率よく鍛えられるトレーニングについて、簡単に紹介したいと思います。