筋肉にも記憶力があるって知ってた?2日に1度は運動が必要な理由
「運動が大好き!」という人は、放っておいても定期的に運動するものです。それは運動の楽しさや喜びを知っているからかもしれません。しかし世の中そんな人たちばかりではありませんし、運動が嫌いな人たちもたくさんいるでしょう。これを読んでいる方ならば、そのような人の方が多いかも知れませんね?
運動なんてしたくない!
しかし年齢を重ねるにつれ、健康状態と運動の習慣はかなり相関性が色濃く出てきます。そう、運動不足と未来の生活習慣病は背中合わせです。「それは分かってるよ!」というかもしれませんが、なかなかそんな機会がない、というのが実際のところです。ええ、私もそうですから。
運動をしない理由はたくさん作れます。寒い、暑い、雨が降っている、忙しい、疲れている、ヒマがない等々。しかし、自分を説得する意味でも、以下の文章を書いてみたいと思います。人間は定期的に運動するような仕組みが身体に備わっているのです。
運動習慣のない人の体
運動を普段しない人の身体は、食事をすると2時間後に血液中の糖分が増えます。そして、デスクワークなどでずっと運動しない体勢を保ったまま、糖分を使い切らずに膵臓(すいぞう)からインシュリンが分泌されます。その作用によって血液の中にある余分な糖分は脂肪に移動することになります。
この一連の流れは、食生活と日頃運動の有無によって膵臓の負担に大きな違いをもたらします。
もしもあなたがたくさん食べる人や、甘いものが好きな人、アルコールを飲む習慣のある人だった場合、インシュリンの無駄遣いが多くなり、40代、50代の頃には膵臓が相当弱ってきます。
インシュリン不足で血液中の糖分が増え、上手く処理されず血糖値が高くなります。これが糖尿病の原因となります。
運動習慣のある人の体
運動習慣のある人も、食後の2時間で血糖は増えます。しかし、運動習慣のある人の身体は、筋肉が「また運動することになるから糖分取って置こう」と考えるのです。筋肉は自ら血液中の糖分を取っておきます。余った糖分は血液から筋肉に移動し血糖は安定します。
この筋肉が糖分を確保しておく作用があるのは、筋肉に記憶力(というか運動したことを身体で覚えているわけですね)があるからです。48時間以内ならば、筋肉は運動したことを覚えてくれているのです。しかし、それ以上の時間が経過すると、筋肉は「運動していない人」の筋肉と同じ作用を起こします。
つまり、人間は2日に1度以上の運動を推奨するようにできているのです。週3回の軽い運動を、という健康法は、とても理にかなっているのです。
具体的にどのようなタイミングで運動するか
仕事が忙しいから、といって運動を全くしない人はたくさんいます。しかし生活習慣病予防の意味でも、若いうちから日常的に運動することをおすすめします。仕事をしていると忙しく動き回っているように感じますが、万歩計をつけてみるとそう歩いていないことが分かります。
「帰宅後でも時間なんて作れない!」と思われるかもしれませんが、工夫次第でいろんなことができます。5分の違いが未来の健康を大きく左右するのですから、少しでも筋肉を使うよう心がけではいかがでしょうか。筋肉を使えばエネルギーは消費されます。消費するエネルギーが増えると、肥満や糖尿病予防にも有効です。
運動不足が引き起こす病気
運動不足は、さまざまな病気を引き起こします。肥満、肩こり・腰痛、循環器疾患、消化器疾患、精神疾患、免疫力低下、骨そしょう症、代謝疾患、持久力の低下、老化促進などです。
運動不足は、このようにありとあらゆる病気の原因になっており、使わない器官は退化するのです。歩かなければ足の筋肉は減り、内臓も脳も使わなければ低下するのです。
中高年から積極的に運動をすることを推奨されることがありますが、その時点で多くの人が運動しない習慣が固まっているため、とても苦労します。20代~30代のうちに日々の運動の習慣をつけておくことが、後になって健康で不自由しない唯一の方法です。