自他共に認める完璧な計画が、実行……できないのはなぜなのか?
著名な漫画家のさくらももこ氏。彼女の代表作である『ちびまる子ちゃん』を聞いたことがないという人はあまりいないでしょう。同作の主人公「まる子」は現在に至るまでお茶の間の人気者です。
さて、小学三年生のまる子は、遠足そのものよりも遠足の準備の方が好きだという変わり者。彼女が遠足の準備にかける情熱は並大抵のものではなく、遠足に持参することが許されるお菓子の予算上限をできるだけ有意義に使うために、わざわざ自宅から遠く離れた駄菓子屋までお菓子を買いに行くなど、ほほえましい描写が散見されます。
この調子でまる子は遠足そのものも満喫するのかといえば、そうでもないのです。この一面だけを見れば、彼女は「物事の計画を立てることは好きだけれど、立てた計画を実行することはそれほど好きではない」ということが言えそうです。この特性に関しては、漫画の世界だからこそ「かわいい」で済ませられるのですが、ビジネスの話となればそうもいきません。
計画を立てることは、確かに面白い側面があるのです。計画を立てるだけであれば、それほど大きな労力を必要としません。でも、いざその計画を実行に移すことになれば、うまくいかないことが多いのです。想定範囲外のトラブルに見舞われたり、あるいは自分の実力が、立てた計画を実行するためには少し足りなかったり。そういうことは、計画を立てるだけでは分からない問題です。実際に実行してみなければ見えてこないのです。
自分が立てた計画を実行に移せない人は、ビジネスの世界で損をすることになるでしょう。できる限り失敗したくない、恥ずかしい思いをしたくない、苦労を軽減したいという思いがあるからこそ、計画を立てるだけ立てて、途中で投げ出してしまうのですが、それならいつまでたっても仕事ができる人間にはなれませんよね。
自他共に認める完璧な計画が……実行できないのはなぜなのか?
その理由は先ほども書いた通り、失敗を過剰に恐れてしまうからです。仕事で失敗をすれば、つらい思いも、恥ずかしい思いもするでしょう。しかしながら、そんなマイナス感情を避けてばかりでは、いつまでたっても成功できないのです。
計画を立てて、うまくいかないのは当たり前。成功者と言われる人たちは、失敗を恐れずにどんどんチャレンジするもの。机上の空論は確かに美しいですが、それを眺めて満足しているだけでは、現実に変化が望めません。
美しい机上の空論に比べ、計画の実行とはなんとカッコ悪く、みじめなものか。思っていたより辛いことばかりで、その割には、見返りが驚くほど少なくて。たいていの人はその結果に絶望してチャレンジすることが怖くなり、すっかりアクションを止めてしまう。
何度も言うようですが、失敗を恐れてはダメ。
最初からきれいなものばかりを求めてはダメ。
まずは失敗をしないと、成功はつかめないものだから。チャレンジする前から、大失敗した後の自分の姿ばかりを思い浮かべて身動きが取れなくなっているなら全く意味がない。失敗は個人の財産になるものですから、失敗をめがけてどんどん新しいチャレンジをしてください。
新しいことに挑戦できるのは、ある程度若い人たちだけの特権です。歳を重ねてからは、失敗したくてもできなくなるわけですね。失敗することの素晴らしさと意義をよく考えてください。