前向きに生きるために~悲しみを乗り越え、受け止める方法
失った者たちを悼む儀式は、亡くなった者たちのために行われるのではなく、実は残された者たちのために行われるのだ。残された者たちが喪失感や悲しみをその儀式に預けて、それらの気持ちに一つの区切りをつけるためのものだ。
先人たちの深い悲しみは、儀式によってそれを浄化する知恵を生み出した。多くの人々はそういった儀式に集い、失われた魂に対してだけではなく、自らの魂のために祈り願うのだ。
それでも受け止めきれないような悲しみをどうやったら乗り越えて行けるのだろう。一つのヒントをあなたに贈ろう。
私たちにはどうしても変えることができないことがある。運命とも呼ばれ、人知の及ばない神様の領域。そういうものがあるということを受け入れる心の穏やかさ、冷静さをもってください。そして変えなければならないことは、どんなに困難に思えても、必ずそれを変えていこうとする勇気をもってください。私たちにはそれを見きわめる知恵を持つことがきっとできるはずだから。
変えることのできない辛く悲しい現実に向き合った時、私たちはそれに押しつぶされそうになる。そのことはいつも頭から離れず、心を占領してしまう。私たちはその現実を変えることはできない。変えられないからこそ、私たちはもっと苦しむ。
でも、その『負のスパイラル』から抜け出すために、一度深呼吸をして周りを見回してほしい。あなたが悲しみ苦しみ続けることが、あなたを愛する人や、あなたを必要としている人を悲しませていることに気づいてほしい。そして変えることができるのは、自分の気持ちと行動なのだと気付いて。
それができれば、あなたの悲しみはそれまでとは違ったものになっているはず。たとえ悲しみは消えなくても、残された自分や愛する人のためにもう一度立ち上がろうとする力が生まれてくるはずだから。