「自律・依存・インナーチャイルド」の3つが鍵となる人間の”癒し”について
カウンセラーやヒーラー、コーチと呼ばれる人の中には、心の癒しを行う人もいます。その癒しは表面的な心地よさを与えるものではなく、深い部分に焦点を当てて、その人が持っている行動の軸となっている心を変えることによって、これまでの感じ方、考え方、行動の仕方が変わるというものです。
やり方次第ではその人の人生観がガラっと変わるほど影響のあるものもあり、たとえば今まで男性っぽかった女性が女性らしくなったり、その逆もあるなど、顔の表情や立ち振る舞いも変わることがあります。そうした癒しには10の基本的要素があります。
1.インナーチャイルド
インナーチャイルドと聞くと、ちょっとスピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、心の中で誰が何を言っていて、それが自分にどんな影響を与えているのかというものです。
人間は意識的には気付いていなくても、無意識では過去に誰かが話したことや教えつけられたこと、こうしなさいといった自由意思ではない他人の意見や信念が自分の考え、行動の軸になっていることがあります。
人間の現状は過去の記憶、経験によるものと分かれば、今の自分の考え方、感じ方、行動の仕方を見れば誰の影響を受けているかが分かります。ですが、それは元々他人の考え方や感じ方を自分のものにしたことで、望まない人生を歩んでいる人もいます。
その人は自分の心の声を聞いて、それを癒すことで本来自分の進みたい人生へと歩み始めることが出来るでしょう。これは大人でも持っていることで、頑固な人はそうした考えは持っていないと思うかもしれませんが、そうした感情的なブレーキを置いておいて、自分と真剣に向き合うことで、より自分らしい人生に変えることが出来るでしょう。
2.自立を癒す
2人以上の人間関係が生まれると、自立と依存の関係が生まれます。そして、自立にもポジティブで明るいタイプの人、イライラして周りからすると接しずらいタイプの人など、その状態がより強くなればなるほど、自立が強くなります。
また、一人でいる時も自立と依存は自分の中でも起こっていて、これらにエネルギーを余計に使いすぎると自分のやりたいことが分からなかったりどうでもいいことに時間を使いすぎるということがあります。
人間は生まれた時から自立の人はいなく、誰もが依存状態で生まれます。ですが、育っていくうちに周りの影響によって自立せざるをえない、もしくは依存にいることは耐えられないような感情的な痛みを感じたら、自立した状態に移ることになります。
これは表面的には分かりませんが、話したり一緒にいることで相手の状態でどちらに偏っているのかが分かります。
その偏りが大きいほど、周りの人も感情的に偏る可能性が高く、たとえば凄くイライラしている人がそばにいれば、周りの人はその場を和ませようとしたり、自分は関係ないという形でオドオドしたりと、また一部の人はその人に対してイライラしたりするかもしれません。
逆にポジティブすぎる人が周りにいれば、なぜか自分は落ち込んだりテンションが上がらなかったり、いつもの調子にならないかもしれません。こうした自立には過去の出来事による痛い感情があるため、それを感じないために行動で何とかしようとします。
それを癒すには過去にこうした感情があったことを思い出し、そこまで自立に偏らなくてもいいんだという現実を体験することで、自立しないといけないという痛みが癒されることになります。
3.依存を癒す
自立があれば依存もあり、簡単に分けると依存にもポジティブな依存とネガティブな依存と分けることが出来ます。
依存状態がネガティブに偏り過ぎると、人によっては鬱の状態から何年もベッドから起き上がれなくなったり、ポジティブに偏り過ぎるといつまでも自分の人生を放棄してなるべく安心出来る人生だけを求めるようになるかもしれません。
これらも過去の経験によるもので、自分の周りに強い自立タイプの人がいると自分がこうした依存の状態になったり、依存状態にいることで周りの人が良く接してくれるといった快楽があるなら、自立よりも依存にいる人が多いようです。
これを癒すことで外見にも影響があるようで、これまで自分の人生と直視せず何となく人生を生きてきた人は、自立に偏ることでこれまで止まっていた時間が動き出したかのように、見た目の年齢が進むこともあるようで、それまで子供っぽかった人が大人らしくなるということもあるようです。
鬱状態だった人は本来の自分が持っているエネルギーを依存に使いすぎることなく、普通に活かせるようになるといったこともあります。
こうした癒しは自分の中のバランスを調整することになりますが、これによって自分が本来持っている一番力が出しやすい状態に整えることが、癒しの基本的な形のようです。