イクメンと地域力についての考えを深め、素敵なパパになろう!
子供を持ったら、子育てはママだけの責任ではない。イクメンの在り方が話題になっている今日この頃、会社人間のあなたはその辺をどう整理していますか?地域力がキーワードになりますよ。
地域力とは、人間力と家庭力
「地域は第二の学校」と言われます。また、「学校が地域力をアップする」などとも指摘されています。自分の住んでいる地域社会が、子育ての上で大きく役立っていることに、まずは気づくことが第一でしょう。そして「地域力の基礎にあるものは、人間力と家庭力だ」ということに目を向けたら、そこから本物のイクメンがスタートします。
子供は「町の子」でもなければならない
子供は「家庭の子」であり、「学校の子」でもありますが、実は「町の子」でもなければなりません。つまり、子供には「帰りたい家」と、「行きたい学校」と、そして「住み続けたい町」が必要なのです。
振り返ると、戦後の日本では、家の子供と学校の子供は健在でありましたが、町の子についてはめっきり減ってしまいました。昔の地域社会が都市化・近代化によってばらばらにされ、向こう三軒両隣の結びつきが大きく薄められる傾向にあったためです。
町での体験は、ものすごく強烈
家庭では、子供に親族の血を教えます。学校では、子供に知識を与えます。地域では、子供に生きる知恵を与えてくれます。知恵とは、知識になんらかの体験をプラスした時に身についてくる何ものかです。体験には、適度の成功と失敗が必要です。もし学校で優等生であれば、成功の体験は豊富でも失敗の経験の乏しい秀才になり、生きる力の獲得にはつながらない場合があります。
地域での失敗体験には、痛烈なものがあります。学校での失敗には慰めがありますし、教育環境のさまざまルールが子供を守ってくれていますが、地域ではそういうものが少なく、町で失敗をしでかせば殴られもするし侮辱もされます。時には損害を被ったり、怪我をしたり、逆にものすごく儲かったり、チヤホヤおだてられたり、強烈な体験があるのが「町」なのです。
子供の知恵の「限界」を教えたい
どこかのオヤジに叱り飛ばされて泣いて帰った我が子。聞けば、オヤジの方が理不尽だったりもします。そんな時、怒り狂ってオヤジに抗議するのが教育だと思っていませんか?
だめです。人間社会には無数の道理・正義があり、自己の主張が全然通らぬこともしばしばあることを教える方が賢明です。学校は点数評価ですが、世間は別の評価ですから、世間からの賞賛や罵倒は子供の知恵の埒(らち)を超えています。これが人間を成長もさせるし、堕落もさせます。
子供が知らぬオヤジに叱り飛ばされてきたら、子育てのいいチャンスだと捉えて、よい方向へ受け止めるよう指導しましょう。まして軽率にモンスターになって学校・教師を罵るような親では、健全な子育ては覚束ないと言えると思うのですが、いかがでしょう。
子供に健全な「勘」を持たせよう
人間を測る尺度は多様なほどいいのです。学校の尺度は点数に偏っています。世間では人間全体で人物を計ります。
子供が親や先生以外に尊敬する隣人を持ち、その人に認められたいと頑張る感情を抱いていたら、それこそが成長のバネです。町の中にそんな人を何人持てるかで、その子供の人格の幅も決まっていきます。
子供に防犯ベルを持たせるよりも、種々の大人と付き合わせて、不審者とそうでない者との差を嗅ぎ分ける健全な「勘」を子供に持たせることが、真のイクメンの義務でしょう。
家庭を地域から孤立させるな
サザエさんのカツオ君は、おっちょこちょいではありますが、子供らしい常識にあふれています。なぜでしょうか。彼は地域にとけ込んで、種々の大人たちと平らに付き合っているからです。
30代40代の男といえば働き盛り、近隣の住民とはあいさつする程度で付き合いのないのが普通でしょう。でも、もし子供の教育に真向かいたいと思うのなら、自分自身がコミュニティーの中に入り込んでいって、その後ろ姿で子供の視野を社会に広げていってあげましょう。
もちろん同じことはママにも言えます。いくつかの学校では、教員が地域になるべく出て行って、学校が地域力を啓く核になることを目指しています。家庭が近隣から孤立しているようでは、よい子育てはとうてい望めないと知るべきではないでしょうか。
地域の核になるパパたちが求められている
PTAや自治会の役員の順番が回ってきたら、逃げないことです。とはいえPTA役員が、ほぼママさんによって占められているのはやむを得ないことだと言えましょう。でも、地域活動の中には確実にマンパワーを必要とするものがいくつかあります。地域の体育大会などには積極的にかかわりましょう。
時間の自由なお年寄りだけに地域を任せていると、どうしてもコミュニティーパワーが衰弱死していきます。震災などいざという時のためには、壮年のパパたちの行動力が欠かせないのです。