子供のいじめ問題解決に探偵が介入!?その効果は?~1/3~
最近、子供のいじめ問題を「いじめ探偵」という探偵に相談する親が増えていると聞きます。さて、この探偵で子供のいじめはなくなるのでしょうか?
法で定めた「苛め防止対策推進法」の効果は無いのでしょうか?苛め問題はこの先どうなるのでしょうか!?
いじめ防止対策推進法とは?
文部科学省が『いじめ防止対策推進法』を平成25年6月28日付けで官報に交付しました。この『いじめ防止対策推進法』の施行は官報公布後3ヶ月経ってからですから、つい最近からの施行ということとなります。
大まかな内容は、学校側が、いじめ防止のために効果的に速やかに動ける指針を示したものです。そこには「いじめ」の定義も示されています。
「いじめ」とは学校に在籍する児童・生徒が学校の内外において、その児童・生徒と一定の人間関係にある他の児童・生徒の行為等(インターネット等を含む)によって、心身の苦痛を感じること、とありました。
いじめの全てを禁止とし、学校の実情に応じて学校独自のいじめ防止対策の基本的施策を定めて、いじめの内容に応じて、学校・教育委員会・児童相談所・警察等と連携して問題を対処することを定めています。
また、学校の定める基本的施策とは、まず道徳教育でいじめ問題について心の教育を図り、いじめの早期発見のために定期的に全生徒にアンケートを実施すること、いじめの事実を発見した職員や親は速やかに学校に報告し、学校は適切な処置を講じなければならないとしました。
いじめの内容が重篤な場合(心身・財産に重篤な被害が生じた場合)は、「いじめが犯罪である」ということを自覚させる為に躊躇せずに警察に通報し、警察とも連携して事実関係を明確にし、いじめ問題解決に勤めることと定めています。
学校の評価に対しても、「いじめの無い学校が良い学校」から「いじめが早期発見できる学校が良い学校」と変わりました。
そのため、評価の高い学校は、いじめの事実が隠蔽されずに、いじめの早期発見といじめに対し、実態把握と適切な処置・評価が行われた学校が高い評価を受けるものと変更されました。
こうして、いじめの早期解決といじめによる悲劇が起きない対策が法律で細かく定められています。ここで重要なのは、学校という聖域に、警察が積極的に介入できるようになったことと、いじめる加害者の心の歪みの対策にも児童相談所が積極的に対処できるようになりました。
児童・生徒の親(保護者)は学校をまだ信用していません
文部省が『いじめ対策防止法』を施行したのはつい最近です。そのため、過去の学校の自己弁護的な「いじめ隠蔽体質」を未だに忘れていないのです。失った信用を回復するのは大変です。
過去の学校評価は、「いじめの起きる学校」は学校の教師の指導能力を非難されていたのです。文部省は、何故学校が隠蔽体質になるのかを考え、その根本的な学校評価基準に注目したのです。
「いじめの無い学校」を良い学校とするのではなく、どの学校にも何らかのいじめは存在すること前提で、そのいじめを如何に早期発見し対処できるかを評価基準としました。
いじめを発見し対処した学校の方が評価されるのですから、もういじめ発生の責任問題等を恐れ教師・学校を守るために隠蔽する必要は無いのです。でも、そんなことは親や保護者にはわかりません。また、隠蔽体質の理由を学校が公表するわけがありません。
学校側が失った信用を取り戻すにはまだまだ時間が必要なようです。学校が信用できない以上、いじめに遭っている我が子を守るのは親や保護者しかいないように、親や保護者も追い詰められるのです。
学校はいじめの問題を学校に相談しても、いじめている親に直談判しても、証拠が無いと信用してもらえません。だから証拠をつかむために探偵を雇うのでしょう。親身になって相談に乗ってくれるという理由もあるのでしょう。