芸の一つと言われ仕込まれた「早食い」で得をしたこと
『とんかつ定食』を何分で食べますか?約10分といったところですか?戦後の食糧難を経験している父は、食べるのも早い者勝ちだった。小学生時代、中学生時代に父から「早食いも芸の一つ」と食事中によく言われた。そのためか、いつも食事時間は短い。
両親も私も飲酒をしないので、懐石料理もフランスコース料理も間が持たない。皿の上の料理をすぐに平らげ、首を長くして次の皿を待っていた。
食事時間が早いと得なことと損なことの二面があるが、損なことの方が多いようだ。自分自身の経験の中で得なことと損なことを挙げてみた。
営業中の移動が楽!
都内でなければ、大部分の営業で車を使う。中枢都市になれば渋滞に巻き込まれやすい。取引先とのアポイントも午後一番が多い。他の取引先を回った後出れば、アポの時間が遅れるかもしれないからだ。午後一番なら時間の変更はない。
昼食を終えた営業マンが一斉に動き出すのが午後一時前後だ。食事が早ければ、他の営業マンたちが食事をしている時間に移動が出来る。渋滞リスクを減らすことが出来る。
相手のペースで食事可能!
ゆっくりと食事する人が速く食事することは難しいが、逆は可能だ。つまり恋人がゆっくりと食事をしているなら箸を置く時間を増やせば良い。相手の皿に残っている量を残す。箸を置いている間は、口の中に含んだ食事を舌先でよく味わえば良い。レストランの中をよく見て話題にしたり、食事の後の予定を考えても良い。
多忙な時の時間づくり!
自分でスケジュールを管理していると、多忙な時は時間がない。食事の時間を短く出来る自信があれば、他人が一件の商談をこなす間に二件の商談をこなすことが出来る。商談件数が増えれば他社情報を多く持ち、次の商談に、よりベストな提案が出来る。社内の評価も上がって行く。
接待の場は余裕!
接待の場で、スマートに行えば好印象になるのが会計だ。よくレジの前で「ここは私が払います」「いや、私に払わせてください」とやっているが、これをスマートに出来れば、『できる男』として、好印象を与えることが出来る。
食事が早ければ、接待の後半に中座し会計を済ませてしまう。接待相手が気付く頃には支払い終了だ。『生き馬の目を抜く』という大阪の営業マンに学んだことだ。
高級な場で食以外も楽しむ!
恋人と食事に行った時、時間を持てあましてしまいがちだが、使われている食器や壁に掛けられている絵画などを堪能出来る。『このグラスはバカラかな?』『このカップはロイヤルコペンハーゲン?さすがに青が美しい』『この皿は伊万里?』といったように食器を楽しむ。絵画は複製品が多いが、たまに本物の油絵がある。色の重ね方や色合いの出し方を見ると面白い。
早食いで良かったことを挙げたが、主治医に何度も注意される。『消化不良』『血圧や血糖値の悪化』『ゲップが出やすくなる』『太りやすい』などと、本来は早食いはマイナス面が多い。現代人はストレスが多く健康維持が大変だ。出来るかぎり、ゆっくりと味わって食事をする方が良い。