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今バブル期銀行マンの闘いを描く「半沢直樹」が高視聴率な理由?~前編~

銀行マンの融資担当課長である半沢直樹が、支店長の強引な融資が原因で焦げ付いた債権の全責任を押し付けられ、出向を余儀なくされようとしています。

「部下の手柄は上司の手柄」「上司の失態は部下の責任」と男女平等もセクハラ禁止法も無かった昭和の時代のようなことが現在の銀行で本当に起きているのかわかりませんが、半沢直樹はこの上司の陰謀と闘い、自分の地位を守るために、計画倒産して逃げ回っている社長を捕まえて焦げ付きを隠し財産から取り戻す物語です。

今時珍しい熱い企業戦士の物語です。妻のあり方が夫の運命を左右する場面も出てきます。正しい主張が通るとは限らない恐ろしい社会で、あなたが窮地に陥った時、あなたはどうしますか?「人の厚意は感謝をするが、悪意には倍返し!」これが口癖となる半沢直樹。あなたはどう思いますか?

何故今バブル期の銀行行員のドラマが人気!?

主人公の半沢直樹は、バブル真っ盛りの時代の銀行員です。「部下の手柄は上司の手柄、上司の失敗は部下の失敗」という信じられない状況が当たり前のようにドラマでは認められています。

男女雇用均等法も無かったバブル真っ盛りの時代には、誰の責任かは関係なく、会社の失態は役職のある上司が失敗したとなると企業の信頼が失われますが、部下の失敗を上司がかばってくれるのは美徳とされていました。「新入社員の失敗にした方が丸く収まる」といった社会の常識があったのです。

現在ではあり得ない常識でしょう。そんな時代、入社時に新卒サラリーマンは、背広の内ポケットに辞表を入れていたのです。「我慢ならなくなったら、この辞表を上司にたたきつけて、一発殴って辞めてやる!」という意気込みで。でも終身雇用の時代ですからほとんどの人が同期の飲み会で上司の文句を言う位で我慢していました。

そんな時代に入社した人達が現在、40~50代となり企業でも役職に就いています。入社時代、上司のミスを押し付けられ、現在は叱ればすぐに辞めてしまう若者の扱いに苦労しています。

そんな大人達は半沢直樹が上司と闘う姿を見てスカッとするのかもしれませんね。自分が言えなかったことを半沢直樹は堂々と言って、上司に堂々とはむかい自分に着せられた濡れ衣を晴らすために奮闘します。そしてそれがことごとく成功し、味方が出てきます。

半沢直樹がまるで昔の自分のように見えるのかもしれません。正しいことが通らない現在、「人の厚意は感謝をするが、悪意には倍返し!」と言い張る半沢直樹のこの決め台詞にスッキリするのかもしれませんね。

バブル期を経験した上司に迷惑している若者達

バブル期を経験した上司は、「最近の若者は・・・」と嘆いていますが、若者の方も反論はあるようです。私の知人(20代)の意見ですが、「君はやりたいことが無いのか!?」とか「覇気が無い」とか上司によく言われるのだそうです。この話だけ聞くと彼がダメな社員のように聞こえます。

さて、彼の言い分をここで紹介しましょう。十分納得できるものなのです。バブルの時代は、会社のために夢や希望を抱え、がむしゃらに頑張っていれば終身雇用ですから会社が生活を保証してくれます。ところが今の時代はいつ何処の部署に飛ばされるかわかりませんし、いつリストラにあって転職を余儀なくされるかもしれないのです。

だから今の若者は自分の身を守るために、何処に飛ばされても生きていけるようにスキルを身に付け、会社の中で必要とされるスキルを身に付けようと頑張っているのです。「自分のやりたいこと」ではなく「会社で自分がやれること」を探さないと生きていけないのだそうです。

今の時代は、会社で自分の企画を通しやりたいことをやるのではなく、会社が求めることにいかに答えることができるかが重要だということです。この社会変化に気遣いの無いバブル時代の上司が、ある日突然リストラされてしまうのだと彼は話していました。

バブル時代の上司は自分の若い時の気持ちを今の若者が持っていると思っているのだとか。彼らはバブルがはじけた後に生まれた世代です。彼らにとってバブル時代は未知の世界なのです。不景気な社会しか知らない彼らにバブル時代の事を熱く語っても理解を得られないのは当然です。

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