読みたい本に出会うためのたった一つの意識
本を無性に読みたくなる。しかし何が読みたいのかはっきりしない。とりあえず書店に出かけて見たものの、やはりピンとくる本に出会うのは難しい……。
そんな経験ありませんか?
読みたい本に出会うためには「自己分析」が必要です。この場合の自己分析とは、「自分が何を読みたいのか」を探す分析ではなく、
「どういう快感を得られれば自分は満足するのだろう」
ということを大真面目に追及する分析です。「読みたい本≠満足する本」です。「読みたい本」と「満足する本」というのは、各々その意味合いが若干違ってきます。
「読みたい本」を探すというのは、実に曖昧な行為。書店で平積みされている本を眺めて、「推理小説が読みたい!」と思っても、それが本当に読みたい本かどうかはわからない。
読みたいと思ったから買ったはずなのに、いざ読んでみるとなぜだかピンとこない。本のコンテンツが期待したものではなかったからでしょうか? もしかしたら自分にも原因があるのかもしれません。
自分に原因があるとしたら、「読みたい!」と思ったときの直感に自分なりの動機づけができていない可能性も十分に考えられます。
「なぜそれを読みたいのか?」を自分に問いかけてみて、すぐに答えが出てこなかったり、疑問を持つような答えなら、それは読んでも満足しない本なのかもしれない。
したがって、「何を読みたいか」を考えるのではなく、「今の自分にどういう刺激を与えたらハッピーになるのか」を考える。これが、書店へ出かける前にちょっとだけ意識してもらいたいことです。そう考えると意外にも読書以外の要素が浮かんでくることに驚きます。
「仕事で上司に褒められて、承認欲求を満たしたい」
「旅をしていろいろな新しいものに触れたい」
こんなことだったりします。すべての人にあてはまるわけではありませんが、読みたい本に出会えない人というのは、「読みたい本」と「満足する本」との間にちょっとしたズレが生じていることが多いんです。
その人がドキドキしたいのであれば、「恋愛小説」で臨場感を味わうもいいし、「恋愛ハウツー本」で出会いのコツを学んでもいい。仕事で認められたいなら、「自分のどの能力を伸ばしたいか」を分析する。それが営業力なら「交渉術」「プレゼン力」の本を読んでもいい。
つまり、読書そのものを目的化してはいけないということ。読書は情報を得るための手段であり、目的ではありません。本探しに苦戦している人は、ここからはじめてみてはいかがでしょうか。