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一皮むけたサイクリストに!前ブレーキは右レバーでいいのか?

日本では自転車のフロントブレーキは右のブレーキレバーで、リアブレーキは左ブレーキで操作するのが一般的だ。原付もママチャリもたいていそうだろう。

でも、アメリカや、ヨーロッパの国々(イギリス以外)では自転車の前ブレーキは左レバーで操作するのが一般的だということをご存知だろうか?

その起源には諸説あり、本当はどの説が正しいのかは不明なのだが、一般に自転車が車道のどちら側を走るかどうかによって、自転車のブレーキレバーも左右が入れ替わっていると言われている。

例えば、イギリスや日本など車が左車線を走る国々では、車道のいちばん端っこを走る自転車は交差点を曲がる際に、後方の車から見やすいように右手で手信号を送る。

逆にアメリカ等、車が右車線を走る場合は左手で手信号を送る。手信号をする際には片手運転になるわけで、その状態でブレーキをかけなければいけないときには、前か後ろどちらか片方のブレーキしかかけられない。

それで、より安全に止まれるほうのブレーキをかけたいわけだ。そうなるとリアブレーキのほうがフロントより制動力は劣るものの安定して止まれるので、手信号と逆側の手でリアブレーキをかけたほうがよいだろう…ということになったらしい。…本当かよ?

他にも、ロードレース等の自転車競技の場合、多くの選手にとっての利き手である右手は、補給食を取るのに使ったりするため、その逆の左手側をより強力に止まれる前ブレーキにしてあるからだ、などといろんな説があるのだが…。

まあ、どれも説得力に欠ける説だが、少なくともロードバイクやマウンテンバイク等のスポーツ自転車に関しては、部品の設計から推察してみても、世界的に前ブレーキは左、後ろブレーキは右が多数派であろうと考えることができる。

現在のブレーキはたいていワイヤーか油圧で動かすので、ブレーキレバーとブレーキ本体をブレーキワイヤーやホース等でつないでいるのだが、前ブレーキ本体のワイヤーをつなぐ位置は、左のブレーキレバーとつないだときに、最もスムーズにつなげる位置になっている。

逆に後ろブレーキは右のブレーキレバーからのブレーキワイヤーをつないだときにいちばんすっきりする設計になっているのだ。日本が誇る自転車パーツメーカーのシマノでさえ、スポーツ自転車のブレーキ部品の設計はこの法則に準じたものだ。

作ろうと思えば“右レバー前ブレーキ”を想定した部品を作ることは無理ではないだろうし、ママチャリの部品としては、ほとんどがそのような設計の製品になっているのだが、スポーツ自転車においては全部“左レバー前ブレーキ”の設定なのだ。これは世界的に見ればいかに左前ブレーキが一般であるか物語っているだろう。

さて、実際にユーザーが使用する場合にはそれぞれの好みで左右どちらを前にしてもかまわないし、なんら機能的な問題はない。しかし、右を前にするとやはりワイヤーの取り回しが窮屈に感じられるかもしれない。

これは筆者の主観もあるかもしれないが、やはり左を前、右を後ろというふうにつなぐと見た目も美しく、ワイヤーの引きも若干軽くなるような気がするのだ。

まあ、本当に好みの問題であるし、ヨーロッパのプロの中にも、右前左後ろの選手はいるのだが…、それでもやはり左を前にすれば、なんだか玄人っぽくなったような気がするのは私だけだろうか?

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