【資格試験】一冊の問題集を何周も解くのが効率がいいと言われる根拠
TOEICでも簿記でもすべての資格試験においていえることがあります。「購入した問題集は何周もするべき。2周じゃ足りない。せめて3、4周はするべき」
これはどこの予備校の先生も頻繁に言われる定番フレーズですが、あなたはその本当の意味を理解していますか?
何周も解く必要があるのは、その問題すべてを即答できるレベルに達しないと「知識を消化した」ことにならないからです。
「知識を消化した」というのは、その問題を完全に「理解した、覚えた、忘れない」という「ものにした状態」を指します。そのレベルまで持っていってはじめて次のレベルに挑戦するための土台を築くことができます。そのためには同じ問題集を何周もするのが近道です。
それが勉強に慣れていない人だと、
というやり方になりがちで、これで次の問題集に取り組むのは時期尚早です。
これでは一ヶ月もしないうちに記憶がおぼろげになってしまい、本番の試験で「あ、この問題解いたことある!でもなんだっけ……」という状態になります。こうして基礎が緩んでいるから応用問題にも立ち向かえなくなる。
例えば、子どもの頃の「自転車の練習」を思い出してください。乗れるようなるまでに、あなたは何台の自転車で練習しましたか? おそらく両親に買ってもらった1台のみで練習したはずです。
練習するごとに別の自転車に乗りかえているようでは、乗り心地が変わってしまいなかなかコツをつかめない。だから自転車を乗れるようになるまでは、なるべく浮気はせずに「これ」という一台を決めて練習したほうがいい。
勉強もこれと同じ理屈で成り立っています。まずは一冊の問題集を完璧にする。では、どのくらいやれば「身についた」と言えるのでしょうか?
基準は「終えた問題集を一か月後にもう一度解いてみて、間違いひとつなく解くことができるか?」です。一度解けても、次やるときにもう一度解けるかというと、意外とそうでもないのです。人間は忘れる生き物です。
例えば、「dog」という英単語を聞いて「犬!」とひらめくのに、通常の社会人は一体どのくらいの時間を要するのでしょうか? 5秒も6秒もかかりますか? 僕個人の予想では……おそらく「0.1秒」もかかっていないと思います。
「0.000…」という単位だと思う。まさに光の速さ。これは「身についている」からできる技、つまり「何度も繰り返し見聞きしてきた」から即席で頭から引き出せる。ここまでくれば、一か月たっても忘れない。「dog→犬」はおそらくこの先何年経っても忘れない知識だと思います。
極端な例だったかもしれませんが、理屈は一緒です。すぐに頭から引き出せるレベルまで持ってくるのが重要です。これが一冊を何周も繰り返したほうが効果的だと言われる所以です。