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釣って食べて環境保全!?霞ヶ浦の美味しい嫌われ者「アメリカナマズ」

最強の外来種『アメリカナマズ』

関東地方には多摩川や利根川をはじめとした大河が数多くあり、また霞ヶ浦のような湖や池も豊富で、きわめて豊富な種類の生き物たちをはぐくんでいる。

しかし近代以降移入された、ブラックバスをはじめとした外来種たちによってその貴重な生態系は破壊され、多くの在来種が絶滅危惧状態となっているのは、近年広く知られているところである。

実際、これらの大河や水域で釣り糸を垂れていると、本来そこにいるはずの在来種よりもブラックバスやブルーギル、そしてコイなどの移入種ばかりがかかってくるといったこともざらだ。在来種より大きくなるものが多く、天敵もいない日本の水中で、我が物顔をしてふるまっているのだろう。

筆者はこれまで何度か、茨城県のいくつかの川で釣りをする機会があったのだが、その時に釣れたものはすべて外来種の「アメリカナマズ」であった。この種もまた、近年生息数を激増させ、問題となっている。

特に霞ヶ浦では、アメリカナマズによって漁業の重要な対象魚であったワカサギ、シラウオや川エビなどが激減しており、被害が拡大している。恐ろしいことに、この魚が増えてからあの悪名高いブラックバスやブルーギルの類も姿を消しつつあるのだという。日本の在来魚など、ひとたまりもないだろう。

食べて駆除しよう!

さて、これほどまでに増えてしまったアメリカナマズだが、他の外来種と同様、そもそもは食用魚として国内に持ち込まれたものが逃げ出し(放流されたという説もある)繁殖したという歴史がある。

原産地のアメリカではフィレオフィッシュフライの材料として珍重されているそうだし、霞ヶ浦沿いの行方市周辺ではアメリカナマズのフィレオフィッシュサンドを「行方バーガー」として売り出し人気を博している。早い話が、食用に用いるのが最高の駆除であるといえるのだ。

では実際にはどうすればいいのか。道の駅で売られている切り身は、だいたいが味付け加工が施してある。それらの手間賃を上乗せして利益を膨らませているのかもしれないが、1パック500~1,000円とそれほど安いとは言えない。やはりここは自分で釣って食べるのが一番手っ取り早い。

筆者はこれまでいろいろな魚を釣ってきたが、50㎝を超える魚の中ではこのアメリカナマズが最も簡単に釣れるといっても過言ではない。竿も針も糸も丈夫でありさえすれば全くこだわる必要がないし、手釣りでも簡単に釣れる。餌もなんだっていいが、青魚の切り身を使用すれば百発百中だ。それ以外にも、ミミズを使えばうれしい外道のウナギが食ってくる可能性がある。

注意点としては、アメリカナマズは生きたままの移送が法律で禁止されているので、釣れたらすぐに締める必要がある。その際にできれば血抜きも済ませてしまいたい。

また、1m弱まで成長するといわれているが、60㎝を超えてくると脂がのり、その脂がどうにも泥臭い。40㎝位までの小型でも肉がたっぷりとれるし、それくらいまでなら皮を引けば臭いが気にならなくなるので、持ち帰るのは小型がオススメだ。

持ち帰ってきたら

締めて持ち帰ってきたアメリカナマズは、できればその日のうちに捌いて切り身にし皮を引いておきたい。普通のナマズと同様、油でからりと揚げると本当においしい。ほっくりしっとりとしてきめ細かく、味もとても良い。揚げ物以外の料理だと泥臭さが気になってしまうことがあるのであまりオススメしない。

アメリカナマズは生息が確認されている水域には本当にたくさんいて、どんな初心者でも必ず釣れる。しかも味もよく、駆除もできて一石二鳥だ。真冬の厳冬期以外はいつでも手にできると思うので、思い立ったらぜひ挑戦して、美味しいナマズフライ/天ぷらを楽しんでほしい。

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