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秋のハチの恐怖と、DIYで駆除するために最低限知っておきたいこと

秋に最も危険になるハチ類

ようやく本格的な秋の訪れが感じられる季節になってきた。朝晩の冷えは徐々に厳しくなり、我々が半袖を手放すころになると、服を持たない虫たちは徐々にその生命力に陰りを見せ始める。

夏の間はマンホールから終わりなく飛び出してきていた黒い悪魔も姿を消し始めているし、夕涼みを台無しにするヤブカやアブもすっかり見られなくなった。虫かごで飼っているカブトムシやクワガタも、もう冬籠りの準備を始めているか、そうでなければその生涯を終えてしまう。

しかし、そんなこれからの時期になおその活発性を失わず人に危害を与え続けるのが、泣く子も黙る恐怖の危険生物「ハチ類」である。実は、スズメバチ類の被害が一年で最も多くなるのが秋から初冬にかけてなのである。

アシナガバチやスズメバチなどの毒性が比較的強いハチ類の多くは、花の蜜や花粉を集めるミツバチやハナバチ類と違い、他の小さな虫類を狩り、それを幼虫に与えて暮らしている。

成虫たちの餌は、虫の肉団子を食べた幼虫が分泌する甘露で、つまり餌となる虫がいなくなると、巣が全滅してしまう危機にさらされるのである。(なお、その大きさや羽音から非常に恐れられているクマバチは実はハナバチの仲間で、虫を狩ることはない。性質も穏やかで、何もしなければまず刺されないだろう)

しかし今の時期は虫が少なくなるため、働きバチたちはより遠くまで餌を探しに行く必要が出てくる。さらにこれからの時期はハチ類の繁殖期に当たり、より気が立った状態で我々ヒトと出会う可能性が高くなる。これらの条件が複合的に合わさって、極めて獰猛で危険なハチたちが人里や町中に現れ、被害が増えるということになる。

ハチの被害に合わないために

では、このような危険なハチたちが身近なところに現れてしまった場合、どのようにすればいいのか。まず、本当に街中で彼女ら(働きバチはすべて雌)に逢った時は、必死で餌を探している時だ。そのような時は餌にならないような巨大な生き物には興味が向いていないので、直接触れたりこちらから攻撃をしない限りはまず襲われることはない。

次に、ちょっとした林や公園などで遭遇した場合は、恐怖をそっと押し殺し彼女らをしっかりと観察してみてほしい。一直線にどこかへ向かっている時は、採った餌を巣に運んでいる時なので、これも基本的には問題ない。

そうではなく、こちらを向いてホバリングをしている時は、すぐ近くに彼女らの巣がある時であり、それ以上近づくことは危険だといえる。さらに、羽音の中にカチカチという乾いた音が聞こえる時は襲われる一歩手前だ。

このような時はまずそっとしゃがみ、ゆっくりと後ずさりをする。彼女たちにとっても毒針は最終手段なので、よほど刺激しなければ刺されることはまずないのだ。

巣を作られたら

さらに、近年郊外の都市開発が進んだことで、家の軒先や敷地内に危険なハチが巣を作り、人やペットが襲われる例が増えている。家の近くに沢山のハチが飛ぶようになったら、まず巣を作られていないか疑うべきだ。その際、家の中など安全なところから、ハチの種類をある程度見極める必要がある。

やや小型で、後ろ足をだらりと下げて比較的高速で飛ぶハチはアシナガバチ類であることが多い。彼女たちは軒下や木の枝の下、垣根の中など雨の降りこみにくい場所に、幼虫や蛹たちの小部屋がむき出しになった巣を作る。

アシナガバチは毒性が比較的弱く、巣もむき出しでそれほど大きくないので、殺虫スプレーがとても効果がある。遠くから狙えるタイプのスプレーを数秒噴射し、すぐに安全なところに逃げ込んで、1時間ほど待てば多くのハチたちは死んで落ちているだろう。

その際、巣の周りを攻撃を逃れた働きバチたちが飛んでいることがあるので最善の注意を払いたい。巣を失ったハチは数日で全滅する。ハチはゴキブリなどと比べて薬への感受性が高く、ほんの2,3秒の噴射でも死んでしまう。

アシナガバチに比べて大きく、腹部の縞模様がはっきりとわかればそれはスズメバチ類だ。彼女たちの巣は大きく、入り口が小さいので薬が効きづらく、毒性が強くハチの数も多い。そのため基本的には、プロの業者に駆除をお願いするべきである。自治体によっては比較的安価、または無料で駆除を請け負ってくれるところもある。

どうしても自分で駆除しなくてはならない場合は、かならず彼女たちの活動が鈍くなる夜間に行う。昼の間に入り口の穴を確認しておき、そこをめがけてスプレーを噴射する。なお、懐中電灯の明かりはつけっぱなしにするとそれをめがけて飛んでくるので、点滅モードにしておくとよい。

いずれのハチでも、過去に刺された経験がある人やアレルギー体質の人は、面倒でも専門家を雇い、駆除してもらうようにしてほしい。

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