何気ない一言でコミュニケーションの質を上げる方法
「おはよう!」「こんにちは!」「さようなら!」日常で何気なく使われるこれらの言葉たち。みなさんも、職場や自宅でこれらの言葉を使っていることと思います。しかし、誰もがそうであるように、毎日のなかでなんとなく言葉を省略していたり、あえて言わなくなったりしていませんか?もちろん、当たり前すぎることを口にするのは時に野暮ったくもなりますが、これらの言葉にプラス一言加えるだけで、普段の挨拶は輝きもするのです。今回はそんな定型文+(プラス)一言の効用についてお伝えします。
人はなぜコミュニケーションをするのか?
例えば朝。職場に辿り着いて仕事仲間と会えば、挨拶するのは基本ですよね。なぜ挨拶するかというと、自分がここにいるよ、ということを伝えるためです。もっと言えば、お互いが気持ちよく仕事をするためです。そうすれば仕事だって円滑に進みます。だから挨拶という習慣があるのですね。ここではまず、挨拶は「お互いが気持ち良くなるためにするもの」と定義してみます。
プラス一言の例
A君:おはよう!
B君:おはよう!
このようにお互いが元気よく挨拶できれば、それで十分ですよね。でも、そうはいかないのが人間というもの。昨晩飲みすぎて二日酔いの人もいれば、朝はもともと低血圧気味でテンションが低い人だっています。気持ちいい挨拶を毎日することは、意外とハードルが高いのです。ここで、今回のテーマである+(プラス)一言をしてみましょう!一気にコミュニケーションの質が向上します。
例えば、
おはよう!+あれ、眠そうだね??
おはよう!+顔色いいじゃん!
おはよう!+眠いよね~(笑)
などなど。+(プラス)の一言には特別こだわらなくていいのですが、相手の状態や自分の状態について表すと、スムーズな流れを生むでしょう。会話はそこから勝手に広がるのです。自分なりの一言を加える、ただそれだけで良いのです。
なぜ、たった一言が大事になってくるのでしょうか?筆者は、+(プラス)の一言からが本当のコミュニケーションだと考えています。定型の挨拶などは、今や形骸化してしまっています。つまり形だけ残っていて、そこに現代人の心が入りにくいのは仕方ないこととも言えるのです。例えば、「おはよう」という言葉にしても、その言葉が生まれた当時、早朝に起きたもの同士が「お早うございますね」と話すところから来ています。しかし、今は早起きしなくても「おはよう」を言いますよね。そういった定型文はあくまで導入としてあるのです。それだけで挨拶を済ませるのではなく、+(プラス)の一言をつけ加えると、言われた側も自分に興味を持ってもらえている、と感じることが出来るのです。
良いコミュニケーションの一例
先日、筆者がコンビニから歩いて職場に戻っているときにめぐり合った光景で、良い!と感じた+(プラス)一言のコミュニケーションがあったのでご紹介します。私の歩く道の反対側のバス停に、ジャージを着た高校生くらいの少年がバスを待っていました。すると、私の向かい側からもう一人、30歳くらいの男性がやってきました。その男性もスポーツウェアを着ていたので、おそらく同じフットサルチームの先輩と後輩といったところでしょうか。車道を挟んでいるので大声で、
男性:もう帰るの~?
少年:はい!予定があって~!
男性:そっかぁ~、今日のプレー良かったよ!
少年:ありがとうございます!
男性:気をつけて帰るんだよ~!じゃあね!
少年:はい!さようなら!
男性:また一緒にやろうね!
少年:あっ、はい!やりましょー!(嬉しそうに)
このようなやり取りでした。私はすれ違いざまにこのやり取りを聞いて、とても丁寧で愛情を感じさせるコミュニケーションだと感じました。特に、「じゃあね!さようなら!」と別れを告げたあとの、+(プラス)の一言に、です。もし自分が男性の立場だったら、ここまで言えないな、と思いました。と同時に、男性の少年に対する深い愛情を感じ取りました。車道を挟んでいる分、声量、言い換えればエネルギーも相当必要です。人が相手に何かを伝えるとき、このくらいのエネルギーが出せればその想いは伝わるのだ、と隣で感じることが出来ました。
コミュニケーションは面白い!
たった一言が人の心を温かくします。たった一言が一日を明るくします。そういう影響力が、言葉にはあるのです。しかし、「初心忘れるべからず」とはよくいったもので、普段のコミュニケーションほど慣れきっているものはありません。そこを今一度見返して、そのコミュニケーションの本来の目的はなんだったか、この機会に考えてみましょう。もし本来の目的に気付けたら、積極的に+(プラス)の一言を加えてみてください!コミュニケーション、そして人間の面白さを再確認できることと思います。