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ゆとり世代の新人職員三人の初仕事で改善すべき点はコレだった

わが小さな職場に三人の学生アルバイトがいる。職場は塾だが、彼らも8月から十数名の生徒の前で講習をすることになった。6月から近隣塾の協力を得て授業現場の見学をし、講習会をし、DVDで模擬授業を何度も見て準備をしてきた三人だ。ゆとり世代ど真ん中の十代の若い講師だ。三人の初回授業を見学し、ゆとり世代の仕事の在り方の理解に四苦八苦している。

彼らの特色は、マニュアルや教科書に書かれていることは手際よく話せるが、手順を変えると何も話せなくなってしまう点が共通している。応用が利かず、四角四面とした講義の出来は素晴らしいが、もう少し深みのある授業展開をしてほしい、というのが最初の印象だった。

おそらく新人君の面倒を見ることになった社会人の方も多いだろう。参考までにわが職場の十代新人講師の様子を紹介する。

知識を問われる授業を担当したA君の場合

A君は社会担当。豊富な知識があれば対応出来る。十数名の生徒を前に、説明で手一杯になっていた。次に話すこと、次にやることを頭の中で追いかけているのだろう。手元のテキストをひたすら見ている。目線が下向きになれば、声も必然的に小さくなる。知識は豊富でも宝の持ち腐れ状態だった。

A君へのアドバイスは、テキストの余白に話そうとすることをメモしておくことだった。次に話すことを必死で考えるならメモをしておくのが一番だった。ゆとり世代の特色の一つのマニュアル依存に対応するには、話す手順や話す内容をメモしておくことだ。

プレゼンや商談に行く前、自分用に資料や企画書の写しを作成し、商談をイメージしメモを余白に書き込んでいる新人君がどれほどいるだろうか。大多数が、ぶっつけ本番で玉砕しているのではないだろうか。失敗から学ぶ、という考え方は旧来からある考え方だが、現代の若い世代にはナンセンスと取られがちだ。

度胸満点の大らかな性格のB君の場合

細かいことは気にせず、大らかで度胸満点のB君の担当は英語だ。事前に何度もテキストを読み、イメージトレーニングをしていたが、初仕事2日前から『何とかなる』と言っていた。

見学しているとA君と同様、授業を事前の組立て通りにこなすことで手一杯だった。それでも顔を上げ、声は出ている。生徒を見ている様だが、目に映っていても見えていなかった。生徒が未だ考えているのに先に行こうとする。生徒が判ってなさそうだが立ち止まらず流してしまっている。

B君へのアドバイスは、生徒をよく見ることだ。相手をよく見て仕事をしろ、と以前に先輩に言われたことがあるが、新人君の仕事は自分の事に手一杯で相手をよく見ていないことが多い。自分の事ばかりで商談相手の表情を見ていない。

商談が駄目になると、自分の企画が悪かったと思う新人が多いが、相手が会議前で持ち込むタイミングが悪い場合や社内トラブルの後で気持ちの余裕がない場合もある。相手の表情や態度をよく見ることだ。また相手を見ていれば、自分の企画書の不具合も発見出来る。

周囲絶賛の準備万端抜け目のないC君の場合

同時に見学していたベテラン講師も大絶賛のC君は低学年の英語担当だ。見学するとベテラン講師顔負けの授業展開をしている。低学年の英語の難しさは生徒の語彙力が乏しいことだ。限られた言葉で応用例をアドリブで出していかざるを得ない。その点もクリアしている。

明瞭で自信をもって説明をしている上に、よく生徒達を見ている。あえて言うなら、少し早口になる時がある点だ。今回は復習だったが、生徒が未知の内容であれば理解しにくいかもしれない。

C君へのアドバイスは、意識してゆっくり話すだった。新人時代は、人前で話す時は早口で話しがちだ。まくしたてる様な早口であれば、相手の理解を得にくい。いつもの速度というより『ゆっくり話し過ぎた』という位のスピードでちょうど良い。

ゆっくり話すことを助言される新人は多いが、様子を見ていると『ゆっくりの程度』が判っていない。さらに最後に総括をする様に助言した。商談やプレゼンで説明しっぱなしの人が大多数だ。そうなると論点がぼける。論点やポイントをシャープにするには、最後に総括すると商談やプレゼンが引き締まる。

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