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「アイツ、まだ若いもんですいません」は何歳まで通用するか?

若さの特権といえばどんなことが挙げられるでしょうか?怖いもの知らず、思い切りがいい、迷う前に行動に移せる。若さの特権に関するポジティブな要素は挙げ出すと枚挙にいとまがないほどです。

年齢を重ねることは経験が増える事であり、それはそれで冷静な判断力や落ち着きが備わってくるという事ですから、年齢を重ねる事は決してネガティブ要素ではないわけですが、やはり若さの特権と比べてみると相対的にはポジティブ要素はどうしても少なくなってしまいます。

やっぱり若い方が何かと特権が多いのは事実なんですね。だって失敗しても勘弁してもらえますから。でも、そういった特権、実際には何歳位まで通用するものだと皆さんはお思いでしょうか?

「先日は大立ち回りをしてしまって申し訳ありませんでした。まだまだこいつも若いもんで、よく言って聞かせますんで、今回だけは勘弁してやってもらえないでしょうか?」と部長が思わずケンカをしてしまった取引先の課長の所に一緒に謝りに行ってくれるのは、果たして何歳位までなのでしょうか?

今回はそんな、絶対にマニュアル本などでは紹介がされない、男社会の暗黙のルールに迫ってみたいと思います。

男社会は完全なタテ社会

男性社会と言いますか、サラリーマン社会と言いますか。とにかく殿方の社会においては、この年齢に関する暗黙のルール的なものが実に数多く蔓延っております。時代は変わっても、男社会が「タテ型社会」であることは、全くの不変事項です。

先の「勘弁してもらえる年齢」に関するルールなどはその際たる例で、女性には入り込めない「メンズワールド」というものが厳然と存在している「証」は其処彼処に確認する事ができます。

そんなメンズワールドを生き抜いた数多くの諸先輩方に取材を敢行したところ、「あいつはまだまだ若いから」と勘弁してもらえる年齢の暗黙の上限値は、「35歳」と設定する諸先輩方が非常に多かったです。

業種も多種多様、経歴も多種多様、サラリーマンもいれば会社経営者も職人さんもいるこの諸先輩方が、一様に口を揃えて35という数字を口にしたのは(他の年齢を挙げる人も少数いましたが)、誠に興味深い事でありました。

相互には面識がない人達が一様に35歳という年齢を挙げたという事は、男のタテ社会の存在を強烈に私に印象付けてくれるものでもありました。しかし、一様に口から出てきたこの35歳という年齢には、どんな根拠があるのでしょか?

「不惑」の前までがリミット?

政治の世界には、「50、60ハナタレ小僧」という言葉がありますが、それではサラリーマンは定年するまでずっと“部長に一緒に謝りに行ってもらえる“ということになってしまいますから、政治の世界のルールは根拠設定には応用できそうもありません。

ここではやはり、「不惑の40歳」と言われる大きな年齢の境い目がキーワードになってきそうです。

大卒であれば22歳で社会人になってから、ちょうど小中高校生の学生時代の12年というワンサイクルを経たのが34歳、35歳という事になりますから、そのサイクルと不惑の年齢を前にした35歳という年齢を、男社会が「本当の一人前の男」と認める年齢として設定するのは、なんとなく理にかなっているような気がしてきます。

現在の平均寿命から勘案しても、男性では半分に割った40歳というのが人生のちょうど折り返しポイントにもなりますし、別の見方をするならば、40歳を境にして自分よりも年上の人間が少なくなっていくという考え方をする事もできるわけです。

厳然たるタテ社会において、後輩の方が多くなっているにも関わらず、まだまだ「若いから」と勘弁をしてもらっていては、「本当に若い人達」には示しがつかなくなってしまいますから、「40を目前にした35歳までには一人前になって、残りの5年間のモラトリアムで完成形を目指せ!」とルールを設定したことは、凄く合理的な事であると感じるようになってきます。

20代30代のサラリーマンにこの話をすると、「意外に勘弁してもらえますね!30歳か、さもなくば27歳位が目安かと思っていました」という反応が返ってくることがよくあります。

早めに「勘弁してもらえない年齢」を設定する事は望ましい事ではありますが、厳しい中にも「クッション要素」「緩急」「アメとムチ」を巧みに配置するのが男社会の特徴点でもありますから、ここは諸先輩方に甘えさせてもらって、35際までは「若さの特権」を目一杯活用して、少しくらいは羽目を外してしまっても良いのではないかというのが筆者の考えです。

「最近の若いもんは」とこぼす30代前半のあなた!あなたがまだまだ「最近の若いもん」なんですから、もっと思い切って行きましょうよ!

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