契約がバシバシ取れるようになる!刺さる提案資料の書き方を特別公開
お客様、それも法人のお客様相手にモノやサービスの販売を行っていると、必ず必要となってくるのが提案書や企画書といった文書の類。
昨今の若い社員達は、創造力や論述力が必要とされる作業をとても苦手にしているという話も良く耳にしますから、「提案書なんか作らなくったって口での説明で契約してくれよ」と嘆いている人も多いかもしれませんね。
とはいえ、真面目な皆さんの事ですから、そんな文句は言いつつもなんだかんだとソツのない資料を書き上げてしまう事でしょうが、一点だけ質問をさせて頂きたい事があります。
それは、「その提案資料、誰に向けて書いていますか?」という質問です。
日本の稟議システムがキーワード
おそらく多くの人が「取引先の担当者」という回答をされるかもしれませんが、ちょっと待って頂きたい。
これは日本の会社の悪しきシステムでもありますが、日本の会社では必ず稟議を回すというシステムが存在しています。
世界に出ていくと、日本の企業の意思決定は非常に遅いと酷評される事が多々あります。これも、海外にある現地法人に最終決定権がなく、一番偉い日本の「本社」が全ての決定権を握っているがゆえに起こる弊害なのですが、とにかくこの悪しき「稟議好きな風習」をいつまでも変えようとしないのが頑固な島国日本の企業というものですから、当面の間は従わざるを得ませんね。
質問の回答についての話に戻りますが、この日本の稟議システムに従うとすると、下の人から偉い人に書類や情報が回り、最終的に一番偉い人のハンコが押されて「契約はGO」となる事になります。つまりは、あなたが提案資料を作る時には、「担当者ではなくて、最後に意思決定をする偉い人に向けて提案書を書くべきだ」というのが、模範回答になるものだと考えるわけです。
担当者は一次面接官に過ぎない
あなたの提案自体を面接に例えるとわかりやすいかもしれません。最初に出てくる担当者は、面接でいえば一次面接官です。
最終意思決定の責任はない人ですから、あまり突っ込んだ事は聞かずに、割と人当たりも良くあなたの気分を害すること無しに「ほーほー。なるほどなるほど」と話を比較的よく聞いてくれます。
それに乗せられてしまうと、「この人はとてもいい人だから、自分の提案も受け入れてくれそうだ」とおかしな勘違いをしてしまい、「この担当者を口説き落とすため」の提案資料の作成に全力投球をするようになってしまうわけです。
そうなると、いつまでも通りもしない提案資料の作成に時間ばかりが取られてしまい、いつまでもあなたの営業成績は上がらないという悪循環が起こってしまいます。ここに法人営業の難しさがあると言っても良いかもしれませんね。
キーマンに向けてメッセージを送ろう
提案資料を作る際には、必ずこのキーワードを頭に入れながら作業をするようにした方が良いでしょう。担当者はあくまでも一次面接官、スポークスマンに過ぎないわけですから、相手に気を利かせたつもりで極力文字数を少なくした提案資料は、あまり好ましくないと言えます。
「書類はそこそこに、あとはトークでカバーする」という心意気は良いのですが、口で説明した内容を担当者がどれだけ正確に理解し、どのような消化の仕方をしたかはあなたにはわからないわけですから、キーマンに向けてメッセージを送るためには、やはりあなたが作る提案資料の「説得力」がどうしても必要になってくるわけです。
このポイントを意識しない若い社員さんがとても多いので、ぜひともこのイメージを大切にして頂きたいと思います。
担当者が持って歩ける資料を作ろう
では、どのような資料を作れば良いのか?という話になってくると思います。それは、担当者が持って歩きやすい資料、すなわち、「担当者が上の人に説明する際にシナリオ的に機能するような資料」を作るようにすれば良いのです。
具体的な方法はそれほど難しくはありません。最初はあなたが相手に伝えたいことを適切な文量で提案資料内に記述します。完成したら、一度頭を真っ白にして、あなたがその資料を受け取って上司に報告を入れるとしたら、どういった書き方になっていると報告しやすいかを俯瞰的に見てみれば良いのです。
少々文字量が多いのであれば、ポイントポイントの部分で要件ポイントを赤字で記載するのも良いでしょうし、起承転結が壊れないようにあらかじめ担当者のメモ欄を作っておくのも効果的です。
法人相手のビジネスは提案の連続ですから、このような技術を身につけておくととても便利です。ぜひとも今回ご説明したような内容を意識して、提案資料を作成してみてください。