なぜあんな行動をするのか？理解出来ない人の頭をのぞいてみよう

育った環境が日本と海外ぐらいの違いがあれば、行動に違いが出ても納得出来るかもしれませんが、すぐ近くに住んでいるのにまるで海外から移住してきたのかと思うほど、理解出来ない人もいます。

ですが、近くに住んでいてもいなくても、育った環境が全く違えばそれだけの違いが起こります。たとえば、親が凄く子供に優しい家に育った人と、親が凄く子供に厳しい家に育った人では、同じ行動でも全く理解出来ない行動になるでしょう。

それだけじゃなく、父親は優しく母親は厳しい、祖父は頼りなく祖母は厳しいなど、影響を与える人物が増えるほど、状況に対する反応の仕方も複雑になっていきます。

たとえば、他の子供はテストで点が取れなくても全然平気だとしても、自分は３０点以下を取ると親に怒られるから怖くてたまらないといった人も多いのではないでしょうか。問題は、そうした心理的なストレスを強く感じてしまうと、それが大人になってからも癒されない限りずっと続くということです。

これが、平均点以上を取らないと人生で不安を感じてしまうとなると、社会に出てもまず周りから認められる仕事に就くこと以外考えられなくなるかもしれません。独立をして自由になりたくても、周りが認めないものは選べない人物になります。それだけ育った環境の影響は大きいといえます。

こうした周りからの影響が全然違えば、それによって世界観が出来ます。世界観というのは、人生の見方や行動を判断する考え方のことで、これに従って人生を進むようになります。その１つが信念と呼ばれるもので、これはこうだ、それはこうだといった、物事の判断をする基準となる考えになります。

まず、信念が違うだけで全く相手が理解出来ないことになるでしょう。タバコを吸うのは考えられないという人がいれば、タバコを吸わないのは考えられないという人もいるのですから。

さらに、ニーズを満たす方法というのも違います。ニーズというのは人間が行動する基準となる感情の満たし方で、好奇心やわくわくといった気持ちを満たすために、ギャンブルをする人もいれば家で難しいビジネス書を読む人もいます。

同じ気持ちを満たす行動なのに全く相手を理解出来ないのではないでしょうか。こう考えると、まず相手と自分は一緒の考えだと思うこと自体、難しいかもしれません。

そこで悩みが出る人は、自分と他人を同じくしようとする人です。悩みが出ない人はどんな相手でも受け入れられる人です。かといって、これだけ違う考えを持った人を受け入れるなんて無理と思う人もいるかもしれません。そのための対処法があります。

こうした考えは、ほぼ全て頭による活動といえます。そして、それは自分と他人を分けて考えていることにあります。ですが、自分と他人は本当に別々の存在なのでしょうか？先端の科学といわれる量子力学では、全ての物体は同じ物質、エネルギーから出来ていると言われています。

もしそれを信じられなくても、自分が納得出来る行動なら相手を理解出来ると感じるでしょう。つまり、自分と他人は一緒だと感じることが出来れば、理解出来ないということはないかもしれません。

どちらにしても、相手と他人を分けて考えることから苦しみが始まります。そして、そういった善悪を分けるという考えは、エゴと呼ばれるものでずっと増殖し続ける思考の働きです。

もちろん、エゴはどんな人でもあり、それが悪いことではなく良いことに働いている人もいるでしょう。エゴを良いことに使うと、ボランティアなどの貢献活動をする人もいます。

ただ、他人と自分を分けるということをしたくなければ、頭で考えるより体を意識するほうが余計な雑念を消すことが出来ます。呼吸、心臓の動き、血液の流れなど、意識出来る体の働きに集中してみてください。そうすると、頭で考えていた雑念が消えると思います。

他人とコミュニケーションをして善悪の判断をしそうになった時、体に意識を向けるとエゴが出にくくなると思います。それは、他人と自分の体は同じ形で出来ていて、頭で自他を分けることをしなければ、同じ存在だと認めることができるからです。

阿吽の呼吸が出来る人は他人が自分の体の一部と思っているでしょうし、意思の疎通出来る双子も自分と相手は体の一部と思っているでしょう。それは、頭で余計なことを考えすぎないことで、もっと深いところで相手を理解することが出来るからといえます。