新人対応のシチュエーション別!管理職者さんのお悩み解決!(1)
ゆとり世代が新人として入社している。ネットで奇行が話題の『ゆとり新人君』だ。ニュータイプの常識を知らない人間と一蹴するのは簡単だが、それでは最後に『新人の使い捨て』となってしまうばかりだ。
彼らの不満を買い、ブラック企業としてノミネートされるだけだ。手柄を横取りする上司、仕事を押し付ける上司と呼ばれるだけだ。何年も勤務している社員も含め新人社員たちは、あなたを見ている。どう対応するか?『半沢直樹』のように「やられたら10倍返し」と戦うのか?バランスよく処理をしていくのか?
ブラック企業やサービス残業が取り沙汰されているが、その前に上司や先輩の在り方が問われている。ドライな社会になり、上司や先輩も刹那的になってきた。もう少し、上司・先輩として見られている目を意識する方が良い。よくあるケースを二例挙げてみた。
ピアス金髪の新人君に注意する?
新人君が配属されて数週間が経った月曜日。新人君が黄金色の髪にピアスを付けて出社してきた。彼の仕事は人と会って商談する営業だ。取引先は上場企業が多い。商談相手も堅い課長や部長クラスの人間で、『バイタリティーのある若手』として新人君を紹介したところだ。金髪ピアスの新人君にどう対応をするか?
大部分の上司が見て見ぬふりをするか、ストレートに注意する、のどちらかだろう。見て見ぬふりは『暗黙の了解』となり、ストレートに注意すれば「就業規則に書いていない。」と反論される。大部分の会社では髪の毛の色や装身具を規定していない。それは社会常識とされてきたことだからだ。
この社会常識への認識が変わってきているのだが、変化が通用するのは一部の業界だけだ。遊び感覚を仕事に持ち込むことを良しとしない業界は多数ある。遊び感覚は真剣さの欠如の印象を与え不信を呼ぶからだ。「それくらい良いじゃないですか。俺、きちんと仕事しますよ。」という新人もいるだろう。「それくらいのこと」を我慢できずに、仕事の辛さが我慢できるだろうか?と不安になる。
ここで、よくセミナーで取り上げられるのは他者目線に切り替えさせることだ。「面接時の格好」や「取引先の相手目線」を新人君に問う。採用時の面接で金髪ピアスの人は、まずいないが、何故か?を新人に問う。「金髪でピアスをしていたら君を採用しなかった。」と言っても良い。
極論だが「後で掃除はするが玄関先で排便する業者とトイレで排便する業者のどちらを出入り業者として選ぶか?」を問う。取引先に出入りする姿は、相手企業のブランドイメージにも影響することを説明する。金髪ピアスの社員が出入りしている会社として信用を落としかねない。直線的に叱るだけでは、新人君の不興を買う結果になる。周囲は対応しているあなたを見て、『理を諭せる人』を判断している事を忘れてはいけない。
権力を前に深夜から行列に並ぶのか?
新人君と商談に出かけた。出向いた先は大手企業で、こちらの売上の半分を頼っている先だ。取引が減少すれば、こちらの会社は窮地に立つような相手だ。先方の課長との雑談で、近日発売予定のゲームソフトを買うために店に並んで買ってきて欲しいと頼まれた。無下には断れないが、どうする?
商談が無事に済んで、雑談をする。話題になるのは子供の事になることも多い。取引先の課長は自分の苦労談を笑い話のように話し、「今度は君に頼もうか。」と冗談交じりに言う。よくある話だ。相手に取り入る好機と判断した上司は即答で引き受け部下に指示する。
ゲームーソフトでなくても引っ越し手伝い・庭木の手入れ・ゴルフの送迎などと多々ある。『茶坊主』『太鼓持ち』などと陰口をたたかれるような上司に自分はなっていないだろうか?『これも仕事の一つ』と自分に言い聞かせていないだろうか?
周囲の人は、『媚びる人』か『しっかりしている人』かを見分けようとしている。『優しさ』と『媚』は別物だ。女性に対する接し方でも、混同している人が多い。その境界は、誰がやるべきことか、といったライン引きだ。
プライベートな面まで狩り出されれば、『媚』になる。宴会で裸踊りを求められ、部下に指示するようでは、『媚』と映る。そんな上司に部下がついていくはずもない。引き受けるなら、部下に指示せず自分で行うことだ。自分が行えない事は引き受けないようにしたい。本来業務以外は自分が実行できるか、を判断材料にしたい。