ここぞという仕事のタイミングでは、事前準備だけでは不十分!
大切な取引先との商談、新商品で他社を出し抜くプレゼンなど仕事をしていると大一番の仕事をする時がある。そんな時は誰もが準備を万全にして臨むだろう。その仕事で自分の評価が決まるからだ。
緊張もするだろうが、モノにできれば出世や栄転も夢ではない。失敗を恐れる人も多いだろうが、成功を夢見て前向きに全力を尽くしていきたい。後で後悔するのだけは避けたい。そう思い考えられる準備をすべてしていこう。
万全な下準備を!
下準備は万全にしておく。ポイントは自分目線でなく相手目線を優先していくことだ。たとえ商談やプレゼンに使わなくても、次の7つの事項について下準備や調査をしておくことが必要だ。
① 市場の確認
新規マーケットなら見込みになるが、マーケットの規模を把握せずにビジネスの場に臨むことは、相手の不信感を増長させる結果になりかねない。見込まれる利益や売上のもとになるデータなので、確かな数字を試算し用意しておきたい。
② ニーズの確認
ビジネスで最大のポイントがニーズになる。相手が求めているニーズは何かを予想するだけでなく、予め確認しておく。的外れのニーズであれば、せっかく提案しても契約は他社になるだろう。
使い勝手、価格、互換性、量産性、コスト、デザインなど相手のニーズは多様にあるだろう。多様なニーズの中で優先順位をつけておく。ここで考えるべきは、自社都合の優先順位でなく相手の優先順位を考えることだ。
③ キーマンの確認
自社・相手社問わず、キーマンとキーマンのアクセス方法は把握しておく必要がある。商談やプレゼンの場にキーマンがいるとは限らない。商談をした相手が 『社に持ち帰って検討する』 となるケースは多い。
相手社の規模が大きければ大きいほど、その可能性は高い。一世一代のビジネスチャンスが相手社内で棚上げになり頓挫するケースは多い。打開していくにはキーマンへのアプローチが必要だ。
また自社内のキーマンへのアクセスも万全としておきたい。価格交渉となり許容範囲を超えそうになるケースは非常に多い。相手から予期せぬ条件を提示されることもあるだろう。そんな時に迅速な対応ができれば、一挙に相手の信頼を勝ち取れるからだ。
④ 提案内容の確認
提案内容は判りやすく整理されているだろうか?どんなに素晴らしい提案であっても難解であれば意味がない。最も提案したい内容は、3つまでにおさえたい。『7つのポイント』『10の御提案』といった企画書や資料をよく見るが、思い返した時に残っているのは3つまでだ。資料として列記するのは構わないが、『特に○○が・・・』と言えるようにしておきたい。
⑤ 自社内の許容枠の確認
商談の場では交渉になることも多い。価格交渉、付帯サービスの交渉などだ。事前に上司と相談して交渉となった時の許容枠を確認しておこう。「社に持ち帰って相談しないと判りかねます」と答えるばかりでは、「もう君と話しても無駄だから上司と話す」と相手に言われかねない。与えられた枠は有効に使おう。
⑥ 想定問答の確認
同僚や上司と想定問答をしておく。予め質問される事項を確認し答えを用意しておく。注意しておくべきことは、自分一人で考え答えを用意するのでなく複数の意見を聞いておくことだ。自分一人で想定問答を用意すると本番で盲点を突かれることが多いからだ。
下準備だけでは不足!
万全の下準備をして安心して商談に臨んだとしても、いざ商談になると思い描いたように進まず、提案の半分もできないまま終わってしまう。そして待っているのは悲惨な結果だ。あれだけ努力して準備したが徒労に終わる。今回は運がなかったと諦め、次回に希望を託す。だが次回も同じ結果だろう。
何が足らないのか?万全な準備を活かせなかった。運がなかっただけなのか?話し方が悪かったのか?場数を踏まなければできないことなのか?多くの場数を踏めるほどビジネスチャンスは多くない。
アスリート達は試合前に何度もイメージトレーニングする。タイガーウッズがグリーン上で難しいパットを何度も決められるのはイメージトレーニングのおかげだ。プロレーサーもコース走行のイメージトレーニングを何度もする。プロダイバーたちも同じだ。
ビジネスの場でもイメージトレーニングは大切だ。一度や二度のレベルでなく、何度もやって話すタイミング、企画書や資料を出すタイミング、話す順番などのイメージトレーニングをして臨もう。少ないチャンスを活かすためには、どれだけイメージトレーニングができているかにかかっている。