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シチュエーション別徹底検証!ビジネスステージでの「仁義の切り方」

「仁義を切る」というと、何だか任侠映画や極道者のドラマの中だけの話のような気がするかもしれませんが、ビジネスの日常の中にも、仁義を切るべきステージというのは数多く存在しています。

いや、任侠や極道の世界以上に仁義を切るべきシーンが数多くあるのが、ビジネスの世界であると言った方が正しいかもしれません。

今回は、ビジネスに良くあるシチュエーション別に「仁義をこのシーンでは切るべきか」、そして「では、そのシーンで仁義を切るとどんなメリットがあるのか」などについて、考えていってみたいと思います。

退職時には仁義を切ろう

「退職に関しては日本人はウエットに考え過ぎている。グローバル化が叫ばれる昨今では、もっとドライに辞めた会社は後にすれば良いんだ」とテレビのコメンテーターなどが発言をしているのを良く耳にします。

確かに欧米をはじめとした海外では、退職や転職に関しては日本のようにウエットに考える習慣はなく、ドライに自分の都合のみを優先してぱっぱっぱと次の職場に移っていってしまいます。

日本においても最近ではこのような態度を「良し」とする風潮が主流派になってきていますが、「ちょっと待った」と言いたいのが筆者のスタンスです。

勤めた時間の長短によって愛着は変わってくるかもしれませんが、どうあれそれまでいた会社の同僚というのは辞める人の戦友だった事に変わりはありません。

上司やはたまたその上の社長に至るまで、本人には煙たい存在、目の上のたんこぶだったかもしれませんが、立場の違いこそあれ「同じ釜の飯を食った仲間」であった事には変わりがないわけです。

会社を辞めると言うことは、会社という「組織」には別れを告げる行為ではありますが、その組織を構成する人々と永遠の別れをするわけではありません。そこを間違えてしまうと、本人が大きな損をする事になってしまいます。

会社に不満があった、同業他社から破格の条件で引き抜かれたなどと、会社を辞める事になった理由は様々あるかもしれませんが、どうあれ退職を申し出る際には「散々悩んだが、自分の人生の価値観を優先させてもらいました。わかってください」と仁義を切って職場を後にする方が良いだろうというのが私の考えです。

もっともらしい退職理由を告げるのも良いですが、肝心の仁義を切らないで職場を後にしてしまうと、それまで構築してきた会社の人間関係を全て断ち切る事にもなってしまいます。

上司も社長も社会という荒波を何年にも渡って生き抜いてきた人々ですから、切られた仁義を無下にする人はいないはずです。

「よっしゃわかった。お前の気持ちもわかったる。頑張って来い!」と今後も応援をしてくれる力強い人生の先輩になってくれるはずですから、退職が決まったならば、妙にクールに振る舞うのではなく、ギトギトのウエット感を持って社内の人に仁義を切るようにした方が事後の為にもなるでしょう。

取引先にも仁義を切れ

仁義を切った方が良いのは、なにも退職時や、いわば身内とも言える社内の人に対してばかりではありません。

ビジネスをしていると、あらゆるシーンで条件面で折り合いを欠いてしまったり、交渉が決裂してしまったりして、今までの良好な取引関係が急遽破綻をしてしまう事が往々にして起こります。

若い社員の人に見受けられがちなのが、ちょっと自分よりも力関係で下にある取引先に対して、やたらに「でもこれもビジネスですから」とビジネスという言葉を乱用して、強引な条件を取引先に飲ませてしまうというケースです。

テレビのドラマでも、元請け会社の若い社員が下請けの町工場の社長に対して強引な条件を突きつけて「飲めないなら、他を使うよ」などと言って脅迫にも近いような脅しをかけるシーンをよく見かけますが、これに近いような際どい現場をもしも皆さんが踏まれるような事態になったならば、やはり仁義を切る事だけは忘れないようにした方が良いだろうというのが私の考えです。

強引な条件を突き付ける元請け会社の社員も、上からの命令で仕方なくやっている業務なのでしょうが、こういった状況では、クールに「ビジネスだから」と告げてしまえば、相手の反感を買うだけになってしまいます。

そうではなくて、「私も仕事でやっています。が、社長にはどうにもこの条件を飲んでもらわないと、うちも生き残れなくなってしいまいます。仁義だけは切らせてもらうので、万一他社に乗り換えることになっても、そこだけは理解をしてもらいたいんです」と告げれば、相手も反感とは違った感情を抱いてくれるようになるはずです。

このドラマのシーンのような際どい現場に立ち合う事は稀かもしれませんが、あらゆる取引のシーンでも、相手に無理を聞いてもらう際には、まずは仁義を切るというスタンスでいることが、仕事を円滑に進めるコツなのではないかと私には思えるわけです。

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