4人のトップが口を揃えて言った。成長していく人が持つ内省力!
先日、介護サービス、工務店、広告会社、コンビニ店をそれぞれ経営する社長達と会食する機会を得た。
ランチでの短い時間だが、年度が終わりに近づいてきたところなので、若手社員の育成が会食のテーマになった。それぞれの事業体でも若手社員がいる。若手社員の中には成長した者もいれば、成長していない者もいる。
成長をした者に共通している事は何だろうか?私を除く四人の社長が口を揃えて言った言葉があった。それが内省力だった。もちろん、四人の話を聞き、私自身も十分に納得した言葉だ。四人のトップ達の話をまとめてみた。
介護サービスを営むU氏の話
昨年四月に新入社員三人を迎え入れたU氏は、介護サービスを主業とする事業体を運営している。新人三人は順調に業務を覚え戦力となっているが、その中の一人は急成長したようだ。
介護サービスは資格と経験の両方が必要な仕事だ。新人は幾つも失敗し成長していく。急成長した女性は、自分でオリジナルの手帳を付けていた。介護の仕事は毎日のように様々なことがある。自分の失敗を書き留めておくだけで、オリジナルの手引書ができる。
工務店を営むE氏
自称小さな工務店を経営しているE氏のもとには、中学や高校を卒業し社会人となる者や、高校を中退し社会人となる者が多い。接客態度の良くない者も多い。昨年度は六人の新人を迎え九人の若手がいる。若手を集め、何度も恫喝することが多いらしい。
何度か恫喝する中で、変わっていく者もいる。E氏は、変わっていく者が成長していくと言う。工務店の仕事は職人気質の仕事だが、それでも顧客があって成立する。
景気が良い時は職人気質で良かったが、今の時世では集客力がなければ成立しない。現状に満足せず、内省には将来を見通す目も必要だ。
広告会社を営むKさん
タウン誌の折り込み広告を中心に事業を拡大してきたKさんは、ネット広告へチャレンジ中だ。
インターネット技術に詳しい新人二人を採用した。新規事業での成功に新人一人では不安だったからだ。新規事業では、当初は成果が殆ど出なかった。成果が出ない事に嫌気がさし、一人は辞めてしまったようだ。残った一人は辛抱強くチャレンジし、ようやく軌道に乗り始めたようだ。
新規事業を軌道に乗せた新人君は、失敗を積み重ね、一つ一つ成果を出している。失敗をした相手を顧客に取り込んでいる。顧客も失敗を糧に是正していく姿勢に誠意を感じているようだ。
内省していく姿勢は周囲の人間に誠意ととられやすい。斜に構えた知ったかぶりの人間よりも、素直で気持ちの良い人間に映るようだ。
コンビニ店を営むT氏
近くでコンビニ店を営むT氏の店には、常にアルバイト希望者が集う。何人ものアルバイト希望の若者の中でも、長く続く者とすぐに辞めてしまう者がいるようだ。長く続く者は、休むことが少なく、仕事を覚えるのが早いようだ。
一度注意したことを素直に受け止め、翌日には直しているらしい。仕事を覚え仕事を任されれば、仕事の面白さが見えてくるようだ。その結果、アルバイトが長く続く。
嫌な仕事より面白い仕事であれば、当然そうなるのだろう。内省をしている者は、仕事の面白さを見つけていく、ということだ。