管理職は注目!パワハラで裁かれたケースをチェックしよう
パワハラとは上司や職責が上位にある人間が地位を利用して行う嫌がらせや暴行などの「職場でのいじめ」をさします。数年前からパワハラ絡みの裁判がいたるところで行われています。
判決の傾向をみると会社側よりも訴えた労働者側が勝訴する例が多く、管理者側はパワハラと呼ばれないような慎重な指導が必要といえそうです。ここではパワハラで裁かれた有名な判決例を紹介していきますので、部下や外注スタッフと接する際の参考にしてください。
自殺原因はパワハラにあるとした中部電力事件と前田道路事件
どちらの事件も自殺した社員の遺族が自殺原因は会社側のパワハラにあるとして起こした裁判です。2007年と2008年に判決がでて、訴えた遺族側が勝訴しています。中部電力事件では遺族年金の支払いを拒否した労働基準監督署長を訴えて勝訴し、前田事件では会社側に3100万円の賠償金を支払うように命令する判決が出ました。
派遣社員にも適用されたヨドバシカメラ事件
パワハラの被害対象は自社の社員だけではなく、派遣社員にも広がっています。2005年のヨドバシカメラ事件は刑法が適用された判決です。ヨドバシカメラの正社員が派遣社員の肋骨を骨折させ傷害罪に問われました。
パワハラで問われる法的責任
パワハラは基本的には訴えられた側が不利になります。そして、訴えられると訴えられた個人が部下を殴っていた場合などは刑法上の責任が問われ、使用している会社にも安全配慮義務違反などの民法上の責任が問われます。
パワハラを起こしてしまうと上司と部下、正社員と派遣社員と言う個人の関係を超えて会社としてパワハラの被害者へ責任を問わなければいけなくなります。くれぐれも一時の感情で部下や外注スタッフにパワハラをしないように気をつけて下さい。