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気遣いができるサービス業者と、そうでない業者の違いは何?

消耗品を買いに近くの店まで車で行った。外壁塗装をしている業者の車が駐車場内で店に一番近いスペースに停められていた。

店内の電源を使っており、コードは店内の中央を這わせてあった。外壁塗装なのでコードは外の駐輪場を跨いで這わせてあった。数人の若い作業者が入口の外で煙草を吸っていた。

店に入ろうとする客を威嚇するようなムードだった。「どんなに安価であろうと、こんな業者は利用したくない」と思った瞬間だった。

デフレが進み価格競争は限界近い

バブル崩壊後、デフレ不況が続いている。価格競争が激化し割合戦が続いている。アマゾンに対するヤマダ電機の様に、今やリアル店もネット通販を相手に割引価格を提示する時代になった。

消費者は、同じ商品なら一円でも安い店で買おうとする。ネットで下調べ、リアル店で現物確認、ネット最安値店で購入すると言う買い物スタイルが定着してきた。価格の最安値化が進み価格競争の限界は近い。「少しでも安くします」は売る側にも厳しくなった。

価格競争が限界近くになると、次のテーマはサービスの充実だ。サービスの充実には、新車購入の様に多くの『付属品』をオマケで付ける方法とサービスの質を上げる方法の二通りがある。前者はコストが発生するため、限界近い価格の商戦では無理がある。後者を考えざるを得ない

数年前の営業先社長の気遣い

十数年前の営業時代に出入りしていた空調機器設置業者の社長は、設置作業をする時に様々な配慮をしていた。

設置先の店で、客が怪訝に思い不快に感じることは避けるべきだと言う。設置先の客は見込み客だからだ。工事車両やトラック・バンは駐車場で店から一番遠いところに停め、休憩は車内か設置先の裏手で行う。表の入り口は、その店の客が気持ちよく来店できるようにしておく。

業者として常識だと言っていたが、最近見かける業者で、こういった配慮ができている業者は少なくなった。

通行の邪魔になるような手法でも、「目立てば良い」という考え方が横行している。仕事をしているのだから、と駐車場の目立つところに駐車し、「俺たちは仕事をしている」とPRしている。休憩も入口のそばで行い缶ジュースを飲み煙草を吸っている。それらは入口近辺でポイ捨てされている。仕事をすれば何でも許されるわけではないことがわかっていないようだ。そんな業者が増えている。

土木工事で多い保険賠償事故

企業営業時代に担当した大手ゼネコンの賠償事故で多かったのは、路上の転倒事故だ。

道路工事では、大型の電動機器をよく使う。電動機器のコードは通行の邪魔にならないように這わせ、通行の邪魔になる際は自転車や歩行者が躓かないようにしてあるが、それでもコードに躓き転倒すると言う事故が多かった。巨額の賠償事故になるケースは少ないが、件数は多かった。

同じ事が、設置業者や施工業者にも言える。施工先の店内中央を何本ものコードが這っていれば、商品に目を奪われ足元が不注意になった客が躓くことは容易に考えられる。「よそ見をしているのが悪い」という理屈は正当かもしれないが、サービスの質は落ちている。

仕事内容でのサービスの質を考える業者は多いが、配慮に関するサービスを考える業者は減っている。限界近い価格競争で苦戦している施工業者は多いと聞くが、配慮を上手にPRしていき、業績アップを図るのも良い

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