予期しなかった成果は結果オーライでいいの?冷静な分析を考えよう
仕事をしている中で、予想をしていなかった様な成果が出た時ってありませんか?例えば音楽が聴けるスマートフォンを開発して商品展開をしていたとします。音楽のコンテンツを取得する方法が簡単で、携帯電話としての機能だけでなく、音楽プレイヤーとしても機能が充実している商品を出したとします。
通勤や通学で重宝されるのでは無いかと思って、そういう販促物を作り、家電量販店に並べていた所、意外なユーザーに人気が出てしまいました。
最も人気が出たのは、ジョギングをしているビジネスマン。彼らは携帯を持った上、音楽プレイヤーも持ってジョギンをしておりました。そのために、音楽が充実しているスマホだと1台ですむので、とても重宝している様です。
その結果、量販店だけでは無く、スポーツ用品店にも製品を陳列し、更に付随する商品、例えばジョギング用のスマホケースとか、ワイヤレスのイヤホンマイクとか、そういった製品も開発をし、一緒に売り出しました。結果的に抱き合わせ販売も効果的で、スポーツ用品店で最も売れました。
これは、あくまでも架空の例え話ですが、この話の様に、最初に予期していない成果で、販売した側からするととてもラッキーだと思える事は多々あると思います。しかし、それを単にラッキーと思っていてはいけません。
実は予期しない成果というのは、予期しない失敗と同じ意味合いを持っています。そもそも予期しなかった時点で市場のニーズを見逃していたという事なんです。どうして見逃したのかを反省し、次回以降に繋げないと、今度は予期しない失敗に繋がる可能性があります。
ですので、予期しない失敗の時だけでなく、予期しない成功の時にも、今後の路線変更が必要です。例えば上記の音楽機能が充実しているスマートフォンの場合を参考にしますと、先ずは音楽機能という事に対して、ジョギングをしながら音楽を聴いているビジネスマンが沢山いるというビジネスチャンスを見過ごしています。
もしも、音楽に関連する商品を扱うと決めた段階で、そういうニーズに気づけていれば、更に良い製品を生み出せていたかも知れません。最初からジョギングの邪魔にならないワイヤレスのイヤホンマイクを抱き合わせ販売していた可能性もありますし、パッケージもスポーティーなもの、商品のデザイン自体もスポーティーなものにしていたかも知れません。
そういう風に、見過ごしていた所に、実はイノベーションのチャンスがあったのです。こういう予想出来なかった成功や失敗に対して、見過ごしてしまった部分を振り返り、今後、そういう事を仕組みとして、失敗は成功に転じ、成功は継続出来る様にするための戦略を練らなければなりません。
ただ単に、成功してラッキーだったというので終わってしまっては、とても大きな機会損失となってしまう可能性があります。では、見過ごさないために念頭におくにはどうすればいいのでしょうか?
それは、自社の事業の内容を精査し、それに関わる情報を収集するという事が第一段階として必要ですが、第二段階としては、直接自社の事業に関係が無い様な所にも情報のアンテナを張り、何か絡めそうな所は無いか、関係しそうな事は無いかと、常に何かを生み出そうという視点で情報と向き合う必要があります。
そういう癖を付ける事、習慣を付ける事によって、イノベーションのチャンスに対して敏感になり、数多くのビジネスチャンスを拾う事が出来るでしょう。
チャンスを沢山活かせる人は、チャンスに敏感であり、チャンスに必要な情報を沢山収集しているという事を知っておかなくてはなりません。