「顔つなぎ営業」が楽になる、相手の客の為にやるべき2つの事とは?
しばらく顔を出していないお客との関係を切らないために行うのが、いわゆる「顔つなぎ営業」と呼ばれるものです。
「ちょっと近くまできたもので」とか「新人が入ったもので紹介も兼ねてご挨拶に伺いたい」とか、なんだかんだと理由をつけてアポイントを取り、お客の会社に出向いて世間話をして帰ってくる。
モノを販売するだけではなく、見込み客との関係を維持しておくのも営業マンの重要な仕事ですから、この「顔つなぎ営業」を否定するつもりはないのですが、どうも独りよがりすぎる感じが否めないのも、この「顔つなぎ営業」の側面です。
訪問先の担当者は、きっととても多くの営業マンの訪問を受けているはずですよね?「もう、ウンザリ」と思っていることも多々あるはずです。
であるならば、多くの訪問営業を受ける側の立場も考えて、もっと実のある「顔つなぎ営業」を行えば、相手も自分ももっともっとハッピーになれるはずというのが筆者の考え方であります。
相手にとっては、「本当に単なる時間の無駄」ともなりかねない「顔つなぎ営業」。今回は少しでもお客の為になる、実のある顔つなぎ営業のやり方について考察をしていきたいと思います。
大きい話をしよう
営業で訪問を受ける側の立場に立って考察を進めて行きたいと思います。「お忙しいところすいません。ご無沙汰してしまっていたものですから…」と、そこからトークが始まるのは良いのですが、その後に続くのは、何となくとって付けたような当たり障りのない話題ばかり。
「今回は特にネタはないのですが、何よりウチの存在だけは忘れないで下さいね!」と暗にPRをしてくる熱意は買えるのですが、相手の担当者にとっては、やってきた営業マンはONE OF THEMの存在であることには何の変わりもありません。
しかも、そんな相手からあまり興味がわかない話を延々と聞かされては、拷問以外のなにものでもありません。
そんな相手に配慮をするためにも、顔つなぎ営業に出た際は、自分も相手もちょっと元気になるような、ちょっとデカイ話をするようにしてみてはどうか?というのが筆者の提案です。
企業秘密に関する事はNGですが、今度超大手企業と物凄いプロジェクトを始めるようになったとか、ビッグビジネスにつながりそうな新しい特許が認可されたとか、とにかく「ちょっと風呂敷広げすぎかな?」と自身が少し心配になってしまう位の話をしてもらった方が、訪問を受けた側も楽だし楽しいものです。
何か提案の差し込み口でもあるのなら話は別ですが、本当に話題が無いのならば、ちょっと風呂敷を広げて「あーでもない、こーでもない」と話をしていた方が、同じ30分でも相互にメリットがあります。
そんな話題から相手の困りごとを見出すヒントが生まれてきたりもするものですから、オススメの方法です。時には変な空気になってしまう事もありますが、何の印象に残らないよりはよっぽどマシな時間の使い方です。
ソリューション事例集を持って行く
よく、顔つなぎ営業に来た営業マンが「最近は何か困りごとはありませんか?」と質問をしてくる事があるのですが、これもやめた方が良いのでは?と考えるのが筆者の立ち位置です。
そもそも困りごとがあれば、何らかのアクションをおこしているのが普通ですから、「最近は何か困りごとはありませんか?」という質問は、営業マンからすれば気を利かせたつもりであっても、お客からすれば「何を今頃?」となるのが普通です。
既に現出している問題の相談にのってもらっても、お客にはあまりメリットにはならないわけですから、もっと気を利かせて「お客に問題を気づかせてあげる」工夫をするのが、できる営業マンの顔つなぎ営業の技術という事ができるかと思います。
最近お客から感謝をされたソリューション事例を見やすい資料にまとめて、「最近はこんな事があったんですよ」と説明を受ければ、お客だって「あー、そういえばウチもこんな事で困った事があったなあ」と、ちょっと実のある話を始めてくれたりもするものです。
そこから具体的な案件化ができれば最高ですが、仮に案件化ができなくても、お客には強い印象を残す事ができます。お客にも自分自身にもメリットのある方法ですから、ぜひとも実践をして頂きたい方法だと思います。
とにかくインパクトを残せ!
大きい話をしたり、ソリューション事例集などを持って歩くようにすれば、お客には強いインパクトを残す事ができるようになります。
忙しい時間を割いてあなたの為に時間を取ってくれているのですから、当たり障りのないつまらない話題だけに終始するのだけは避けるようにしましょう。
独りよがりだけでは、お客はついてきてはくれませんから、少しでもインパクトある内容になるように工夫をするのが、時間を割いてくれた相手への「大人の配慮」となる事を理解して頂ければと思います。