環境が大切か?結果が大切か?マネージャーに知ってほしいPM理論
マネージャーが考えなければならないのは結果でしょうか?環境でしょうか?集団に対する機能であるPM理論によってその考え方を説明します。
PM理論って何?
マネージャーやリーダーが考えなければならない組織っていうのはどういう組織なのでしょうか?部下に対して的確に指示をして目標達成を重視するべきなのか、それとも組織の雰囲気をよくしてコミュニケーションを大切にし、チームの輪を大切にするべきなのか。はたまた、そのバランスが大切なのか。
そういった事を分類している考え方がPM理論です。PM理論にはP機能と、M機能があります。
P機能というのは目標達成を重視して、そのために組織に的確に指示を出すリーダーの場合です。その傾向が強いリーダーの場合はアルファベットの大文字でPと書きますが、その傾向が弱いリーダーの場合はアルファベットの小文字でpと表します。
それに対して、集団の融和を図り、雰囲気を良くして組織の結束を高めるのがM機能と言います。それが強く表れる場合はアルファベットの大文字のMと表し、それが弱い場合はアルファベットの小文字のmと表します。
PM理論の分類
PM型・・・目標達成を目指し、的確な指示をしつつも組織の輪を大切にするリーダー
pM型・・・組織の輪を大切にして、雰囲気を良くするリーダー
Pm型・・・的確な指示をして目標達成を目指すリーダー
pm型・・・仕事が甘く、雰囲気づくりも出来ないリーダー
求められる順番
最もメンバーから求められる良いリーダーは、集団の雰囲気を良くしてチームの結束を高めつつも、的確に指示をして目標達成を目指すリーダーで、PM型です。
そしてその次に求められるのが、組織の融和を図って雰囲気をよくするpM型のリーダーです。その次が目標達成型で的確な指示をするPm型。一番下が、仕事が甘く、雰囲気づくりも出来ないpm型のリーダーです。
ここで特徴的なのは、組織の輪を大切にして、雰囲気を良くするpM型のリーダーの方が、的確な指示をして目標達成を目指すPm型のリーダーよりも組織に求められているという事です。
PM型のリーダーになるには
最も理想的なPM型のリーダーになるためには、的確なアドバイスと目標設定、その上で組織の融和を図らないといけない訳ですから、自分自身のマインドを高めておく事が必要です。
P型の部分に関しては、マネジメントをしっかりと学び、知識や知恵を上手く活用しなければなりません。アドバイスの仕方ひとつとっても、相手の心情をしっかり理解してアドバイスする必要がありますし、目標に対してもリーダー自体が目標達成までのプロセスや、その具体的な方法を知っている必要があります。
M型の部分に関しても、部下との距離感や上手に褒める方法、組織内でのレクリエーションなどへの配慮も必要です。つまり、PM型のリーダーは、具体的なレシピを沢山そなえておく必要があるのです。
PM理論は実際に活用されている?
PM理論は、小売業やサービス業、製造業で主に使われているだけでなく、病院や官公庁などにも広まっています。そして最近は日本国内だけで無く、アメリカや中国、韓国、ヨーロッパへも広がっており、世界中で活用されています。
もしもリーダーになるのなら
もしもあなたがリーダーに抜擢されるのであれば、当然PM型のリーダーを目指しましょう。そしてその前に、先ずはあなたの周りのリーダーをよく観察しましょう。あなたの周りにいるリーダーが直接の上司か他所のセクションかは分かりませんが、なるべくよく見て下さい。
そして彼らがPM理論上、どのタイプのリーダーなのかを知って、それぞれの良い所を盗みましょう。実際にリーダーになってからとなる前とでは、その捉え方も変わるかと思います。
同じ型の中でもやり方は人それぞれですから、しっかりとモデルになる人をモデルにして、反面教師にしないといけない所は反面教師にして、あなたのリーダー像を作って下さい。
リーダーの人間性
PM理論を学び、それぞれのタイプの中で具体的にマネジメントをする様になったら、今度は人間力を高める努力をして下さい。P型のリーダーも、M型のリーダーも、結局は組織との信頼関係で成り立つのは当然です。
組織に指示を出して目標に向かおうにも、誰もついてこないリーダーでは意味がありませんし、人間力の低いリーダーにそもそもM型の組織の輪など作れません。
とても基本的な事ではありますが、結局こういった理論が活きるかどうか、活かせるかどうかは、その人への信頼の部分です。信頼という土壌の上にこういった理論を成り立たせて、具体的な成果を上げる様に心がけて下さいね。