ゆっくり考えよう。あなたが今の会社を辞めるべきではない6つの理由
以前は「新卒で入社したらその会社で定年まで働き続ける」といういわゆる終身雇用の考え方が雇用者側も労働者側も一般的でした。しかし最近はだんだんとそれが薄れてきているようです。
バブル崩壊後の延々と続く不況を耐え抜くために、まずは雇用者側が終身雇用制度を見直す風潮ができ、そして労働者側もライフスタイルとして一つの会社にこだわらない考え方をする人が徐々に増えてきているようです。
本当にその転職はアリなの?
という事で転職という言葉を身近に聞くようになったのもそうした現在の世相があっての事です。昔は「家業を継ぐ」以外の転職だと「何か深い事情があったんだろうな・・・」と勘ぐられたものです。今ではファッションのように次々所属を変えていく人もいます。
実際に「そろそろ転職しようかな・・・」と思っている方もいるでしょう。しかし、憲法で保証された職業選択の自由があるので強くは言えませんが、あなた個人にとって本当に今のタイミングでの転職が有益なのかは、よく考える必要があります。世相に流されずに、まずは次に挙げる6項目を検討してみましょう。
1.毎月の給与が無くなる・減るが、大丈夫か
今は意識しないかもしれませんが、毎月決まった日に自分の銀行口座の金額が自動的に増えるのは何とも画期的な状態です。このおかげで家賃や光熱費が自動で引き落としされ、クレジットカードで買い物し、必要ならコンビニATMで現金に換える事ができるわけです。
会社を辞めて転職先が決まるまではこれが無くなります。(雇用保険は自主退職の場合は3ヶ月後からです)銀行口座の金額がみるみる無くなっていくのに耐えられるでしょうか。
また、転職後は勤務年数の関係からほとんどの場合は現状よりマイナスからのスタートです。それでも大丈夫だという計算をしているでしょうか。
2.今の会社に不満があるのか
転職したいというのは、今の会社に何らかの不満があるという事ではないでしょうか。入社時点ではそれなりにやりたい思いがあって入社を決めたはずなので、仕事の内容や業種そのものはそれほど不満という事はないと考えられます。人間関係や業務の具体的な手順が問題なんでしょうか。それを解決する手段は尽くしたでしょうか。
3.次の会社でも同じ不満があるかもしれないがいいのか
(2)に関連して、それは会社ではなく社会制度や業界に関する問題ではないでしょうか。それだと別の会社に移ってもおそらくは変わらないでしょう。
それが転職の大きな理由なら、次は別の業界に転職する事になるわけですがそれでも大丈夫でしょうか。それは本当にやりたい(やってもいい)仕事なのでしょうか。
4.次の会社がすぐに決まる理由があるのか
じゃあ転職しましょう、と言ってもこのご時世です。全体の採用数自体が少ないのはご存知の事でしょう。それでも転職がスムーズにいく理由はあるのでしょか。
すでに知人からオファーが来ているのでしょうか。それとも業界で必須とされる免許をお持ちでしょうか。特許を取れるような技術をお持ちでしょうか。
誰でもできるような仕事なら、当然あなたである必要はありません。確率的に採用が決まる宝くじみたいなものです。その宝くじは必ず当たると勘違いしていないでしょうか。
5.やりたい夢があるのか
今回転職したとして、それはあなたの将来のビジョン、すなわちキャリアプランに則ったものでしょうか。
今の仕事の先には「理想のあなた」があったかと思います。夢を叶えた自分です。そのためのステップが今の会社での仕事だったかもしれません。それなら問題無いのですが、将来の理想像とは関係なく現状の問題を解決する手段としての転職は、将来に大きな問題(後悔)をもたらしかねません。
6.家族や友人に相談したか
結局、いろいろな仕事上の問題をあなた一人で悩んでいるだけではありませんか。親や兄弟など家族に相談したでしょうか。また会社内外の友人には話を聞いてもらったでしょうか。その人たちは転職以外の解決策を与えてくれるかもしれません。
特に自分より年上の社会経験をより多く積んだ先輩に相談するのはためになります。自分ではなくても周りの失敗例や成功例をいくつも見てきている事でしょう。また、相談するのは利害関係のない信頼できる人にしましょう。