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辞職で解決?食品偽装問題で思い知る、責任の取り方を知らない大人達

最近、食品偽装のニュースが多いですよね。阪神阪急ホテルズのキャビアに続き、北海道のルネッサンスホテル、浜松のホテルコンコルドなども、同じようなことをいていたことが発覚しました。

これは氷山の一角でしょう。今後も次々と発覚することは容易に想像できますね。場末のぼったくり宿ならまだしも、大手のホテルチェーンでこういったことが堂々と行われていたことは残念でなりません。

これらの罪を行った企業は、どう贖罪していくべきなのか?ここで考えてみたいと思います。

阪神阪急ホテルズは50店舗を構える大手チェーン

まず、ニュースの発端となった阪神阪急ホテルズについてご紹介したいと思います。2013年現在直営17店舗、フランチャイズなども含めると50店舗という、結構大きな企業です。

従業員も合計2000名以上、アルバイトも含めれば当然、その数倍の人間が、この企業で働いているということになるでしょう。

本当の被害者は、従業員ではなかろうか?

さて、今回の食材の偽装事件、被害者は実際にその料理を食べたお客さんばかりではありません。直接被害を受けたのは、それらを食べた人!という風に思ってしまいそうですが、実際、彼らの被害などたかが知れているでしょう。

「え?あの時のキャビアは、偽物だったの?」と思う人は多かったとしても、ほとんどの人は笑い話にしてしまうと思います。

「ニュースで偽物のキャビアを売ってた話あったじゃん!あれ、俺も食べたわ・・・(笑)」と話のネタにしてしまう人が、ほとんどだと想像します。

本当の被害者は別にいるのです。

全く真相を知らずに働いていた、従業員ならびにアルバイトの方々です。彼らの家族も被害者といって良いでしょうね。

「◯◯ホテルで働いてるの?あの食材偽装で問題になったチェーン店だよね?」なんて言葉を数多く聞かされていることでしょう。世間体が悪くて仕方ありません。

厳しい家庭のお父さんならば、「おまえ、今すぐに詐欺の片棒を担ぐような真似はやめろ!」なんて、転職をすすめるかもしれませんね。

下手をしたら、この事件がきっかけで結婚直前のカップルの縁談が流れてしまった可能性すらあります。

大げさな話ではなく、相手側の息子(娘)が働いている企業が、社会的問題になってしまえば、「結婚なんて取りやめだ!」と騒ぐお父さんがいても不思議ではありません。

社長辞任で一つの結末を迎えたが…

阪神阪急ホテルズの事件は、一応社長辞任ということで、一区切りしました。しかし、個人的には全く解決にはなっていないと思います。

そもそも「辞任」という解決の仕方は一番簡単かつダメージが少ないんですよ。「責任をとって…」なんていかにもな言葉を使い辞任する人は多いようですが、その人が辞めたところで、なんの解決にもならないことがほとんどです。

実際は、「辞任」イコール「逃げさせていただきます」ということですよ。みなさんもこれは忘れないでください。今回の事件で、事件そのものに全く関与していないにも関わらず、職を失ってしまう人は相当数いることでしょう。

社長が辞任したところで、彼らの新しい職がすぐにみつかるとは思えません。破断した結婚が、復活するとも思えません。それら全てから逃げる為に、事件の当事者達は、表舞台から姿を消すのです。

責任をとる、ということは…

少しずつ話が逸れていってる気がしますが(笑)、私が一番言いたいことは、「責任の取り方が間違っている」ということなのです。

こういった大きな事件にならなくても、普通の企業でもこういった責任の取り方をする人って、非常に多いんですよ。

例えば、大きなミスをしてしまい企業に大きな損失を出してしまった。そんな時に「責任をとって辞めさせていただきます」なんて言葉を口にする人達です。

そんなダメ社員が一人辞めたところで、はっきり言って、なんの解決にもなりませんからね(笑)もちろん、尻拭いをするのは全く別の人だったりするのです。

結局、彼らがやったことは、大きなプレッシャーや責任感から逃れ、全く関係のない人に自分のミスを押し付けて、別の職場で何事もなかったかのように働くことなのです。これ、どこが責任をとっているのですか?

本当に責任を感じているのならば、事件やミスが帳消しになるまで、フォローをし続けなさい。関係者全員、被害者全員に頭を下げにいきなさい。無給で何年も働きなさい。それでも足りなければ私財を差し出しなさい。それが責任を取るということでしょう。

そんなことも出来ずに、「責任を取る」なんて大げさな言葉は使わないでいただきたいと思います。ならば堂々と「叩かれるのは嫌なので、私は逃げます」と言った方が、まだ清々しいというものですね。

責任を取ると言いながら辞職をする人は軽蔑の対象になるべきだと、私は考えます。

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