仕事で自分の意見を主張するコツは、相手の○○を把握すること!
言いたいことを「がなる」だけではダメ
特に若手のうちは、社内において自分の意見が通りにくいものです。私自身は凡才なので、自分の意見を通したいとは特に思わないのですが、若手だろうがベテランだろうが関係なく、仕事に対する自分なりのビジョンを持っている人はいますね。そう言う人にとっては、自分の価値観やアイディアを認めてもらえない現場というのがもどかしいのでしょう。
自分の意見を通したいからといって、がむしゃらに大きな声を出すのは時間の無駄です。自分の考えを認めてもらえるどころか、なおさら評価を下げる結果を招くだけ。自分の意見を通したければ、まずは自分に与えられた仕事をきっちりとこなすことが近道です。どれほどの単純作業でも、周りの人間が皆揃って手を抜いていたとしても、自分だけが真剣に取り組むことで、その熱意は上層部に伝わります。
自分の意見を通したければ、まずは意見を言っても許されるだけの評価を確保しましょう。
相手には相手の言い分がある
自分の意見を通すことは確かに大切です。諸外国の企業に勤める経営者たちは、日本の労働者に足りないものは「自己主張」の能力であると指摘します。私が学生時代に知り合った留学生も、自分の考えを他人に伝えることが非常に上手でした。特に欧米では、自分の意見を主張することが美徳とされ、たとえその結果として他人の反感を買っても気にしない、という風潮があるようです。
ところが日本の場合は、そうではないですよね。自分の意見を声高に主張することが、必ずしも美徳であるとはみなされません。一部には、意見の主張を美徳と考える人がいるようですが、全体的な数でみると圧倒的に少数派です。日本だろうが海外だろうが関係なく、他人の意見にじっくりと耳を傾ける人は好かれますから、日本人のやり方が間違っているわけではないと私は考えます。
それに、意見を戦わせる際には相手にも言い分があります。相手の言い分を自分なりに消化することで、それまで気づくことができなかった物事の一面に気づかせてもらえる可能性が大いにあります。自分の意見だけが必ずしも正しいとは限りません。いろんな人と話をしていると「あ、そうか。そう言う考え方もアリだな」というふうに考えが変わってきて、自分の意見を押し通すことだけが必ずしも全てではないなと気づきます。これは非常に大事なことです。
相手の思惑と、相手にとってのメリットを把握しよう
それでも、是が非でも自分の意見を通したい場合にはどうすべきか。まずは、相手がなぜ自分の意見を受け入れてくれないのか、というポイントを見直します。相手にとって都合の良い提案であれば、自分の意見は通るはずなのです。ということはつまり、自分が通そうとしている意見は相手にとってなんらかの不都合や不利益をはらんでいるということ。
それを見極めるために、まずは相手の思惑を把握してください。相手が望んでいるゴールがどのようなものかが分かれば、その願望に合わせて自分の意見を修正することが可能です。意見を完全にリセットしてしまうのではなく、部分的に改めるのです。
妥協案を探るとでもいいましょうか。自分の希望は初めから明確なわけですよね。それに加えて、相手の望んでいることが把握できれば、その中間点を探る形で自分にとっても相手にとっても平等に利益を見いだせる様な妥協案がはずです。
相手にとってのメリットを聞き出すことは、本来難しいことではないはずなのです。何をお望みですかと聞かれて、口をつぐむ人は稀ですから。ところが、相手に希望を尋ねて黙秘されるケースがあります。それは、相手が望んでいることが、他の大多数の人間の目から見れば明らかに「悪」であるという場合。
おそらく、あなたの提案をはねつけた本人も分かっているのです。自分の主張が、万人に受け入れられるものではないと。だからあなたの提案を否定するだけ否定して、かといって自分の意見も言わない。こういう相手とは、どうも仕事がしにくいですね。
自分の意見を通したいと考えるなら、まずは意見を伝えるべき相手を真剣に考えること。これも重要です。