あなたは組織にはまるタイプ?起業化タイプ?~後編~
渡真利忍タイプは典型的サラリーマンタイプ
半沢と同じ大学出身の入行式依頼の親友である渡真利忍は典型的なエリートサラリーマンタイプです。半沢直樹に惜しみない協力をし、自分が持てるあらゆる情報網を使って銀行の内部情報を掴んできます。
東京中央銀行本部融資部所属ですから、銀行内でエリート街道まっしぐらです。融資部に拘わらず、人事情報から法務部・経理部とあらゆる部署に人脈があり情報収集力の早さは凄いと思います。
また、湯浅ホテルの時も、湯浅ホテルの合併先の海外の企業と交渉し、渡真利の信用力だけで湯浅ホテルの社長抜きにも拘らず先方との確約を交わし、後は契約調印のみという所まであっという間にセッティングしてしまいます。銀行マンとしての能力は半沢と肩を並べます。
しかし、半沢と渡真利の違いは、半沢直樹は人を動かすことであるのに対し、渡真利の武器は情報収集能力です。同じ信頼でも、半沢の信頼は半沢という人物なのに対し、渡真利の信頼は渡真利の情報という所です。
渡真利の情報は絶対という信頼こそが半沢をどれだけ助けたかわかりません。その証拠に渡真利の情報に半沢は微塵の不振も持たずに動きます。
しかし、ドラマ内で渡真利の言葉に「これ以上は無理だ」という言葉が目立ちます。渡真利自身もかなり際どいところまで半沢に協力しているとしても、自分が危険な立場に立つことは絶対にしない要領の良さを持っています。
西大阪スチールの5億円融資の審議会の時も、半沢に「何も言うなよ」と有利に立ち回るように浅野支店長の根回しや審議会のメンバーまで調べ上げています。その上で、半沢が最も不利にならないような方法を考えます。しかし、半沢は闘いを挑んでしまいました。
サラリーマンは組織人です。行動は、組織の中で身を守りながらその範疇で最大限に能力をふるうのです。そして、多少は相手を出し抜くことで出世しなければなりません。
いつも真っ向から正々堂々と真正面から勝負するわけにはいかないのです。これが組織人としてのエリートサラリーマンです。
そういう意味では、渡真利は優秀な典型的なエリートサラリーマンです。但し、渡真利には半沢が羨ましくて仕方ないから協力するのだと思います。でも、自分にはできません。また、自分の能力を知っている渡真利はしようとも思わないでしょう。
この渡真利のように、サラリーマンは、小さくても一国一城の主を羨ましく思うものです。でも、渡真利のようなサラリーマンは、常に安全策を取り、要領良く立ち回る才能と、情報の信頼性が重要です。
これに人望が加わると恐いもの無しでしょう。この人望迄も持った人がトップに上り詰めるのだと思います。