最短距離で自分が欲しいものを手に入れる話し方のコツ
褒めることの本当の意味を知っていますか?
簡単なたとえ話からしましょう。あなたが欲しいものを持っている人がいたら、それを褒めるのです。
あなたが欲しいロレックスの時計をしている人がいたら「その時計、かっこいいね」と言うのです。黙って相手のロレックスをモノ欲しそうに見つめて「こいつ、上司にゴマばかりすりやがって。だからこんな時計を買えるのか」などと思わないことです。
「その時計、かっこいいね」と口に出して言いましょう。相手が同僚であればくれないかもしれません。先輩とか、取引先の社長とかであれば「君が出世したらあげよう」と言ってくれないとも限りません。エライ人はそういうパワーを持っているのです。
人は潜在的に「褒めて欲しい」と思っている生き物です。時計など褒めても仕方ないと思うのか、時計を褒めるのもいやらしいと思うのか、日本人は相手の持ち物をあまり褒めませんが、傾向としてはエライ人ほど褒めてもらいたがっています。
エライ人は周囲がおべっかばかり使うので、本音のガチンコトークに飢えていることもあるのです。
「時計かっこいいですね」と言えば「ああ、これはハワイで買った時計なんだよ。君が出世をしたらお祝いであげようか」と言われることもあります。時計ではありませんが、実際にこの方法でエルメスのベルトをもらった人もいます。
モノではなく、仕事でもそうです。英語力がもっと上達しないかと思っている人は「英語、お上手ですね。私も英語を勉強しているのだけど、もっと英語が上達するように、来月アメリカに3日間だけですが、行こうと思っているんです」と言ってしまうのです。
すると「では、その前にロサンゼルス支店に一緒に出張に行かないか」という話になることもあります。
これらは、他人の超ラッキーな事例というわけではありません。「人はあなたのすべてを知らない」のです。
毎日、エルメスのベルトが欲しいとか英語力が欲しいと言うのはバカです。しかし自分が欲しいものを持っている人を見たら、あなたが自分が欲しいものを口にするチャンスです。
「私も欲しい」と言うのは下品。「かっこいいですね」「私も頑張って手に入れようとしているのです」こういう控えめな言葉を口にするだけで、相手にあなたがどれほど欲しいと思っているのか、十分に伝わるのです。
褒めるのは難しいと世間で言われるのは、褒め方にすべての本音が映るからなのです。ちょっと欲しいのか真剣に欲しいのか。お世辞で褒めているのか、真剣に褒めているのか。すべて出ます。
欲しいものは毎日欲しいと思いましょう。欲しいものを持っている人を上手に褒めましょう。これだけで、欲しい物との距離がぐっと縮まります。