後輩の前で「ええ格好」をしたがる先輩世代の為の厳選ビジネスマナー
社会人経験も二年も三年も過ぎてくると、新入社員の頃の緊張感もすっかり抜けてしまって何となくナアナアにしてしまうことも増えてきます。
先日まで新入社員だったみなさんも、あっと言う間に後輩も増え、そろそろ新入社員へのアドバイスを送る方の側になっているはずですね。
そんな「教える側」の立場になってくると、今までは何となく知っておけばよかったような事でも、曖昧なままでは質問に対する回答に説得力が出てきませんから、放っておくと「あの人って、知っていそうで何も知らないよね」などと新入社員から白い目で見られるようになってしまいます。
尊敬される先輩として振る舞う為にも、足元を救われがちな盲点の会社の掟はこの際に再確認して、万全の体制で新人たちを迎えるようにしようではありませんか!
盲点の掟:階段編
あまり起こり得るシチュエーションではありませんが、時々お客さんを従えて階段を一緒に登るというシーンにあなたが遭遇する機会がありますね。もしも相手が女性のお客さんだった場合には、あなたならどのように階段で相手を誘導しますか?
「上りはお客が前で、下りは自分が前で歩くのが当然だろう」と思う人がいるかもしれませんが、ここでは盲点の掟を守らなくてはなりません。
女性がお客の場合には、階段を登る時にはあなたはお客の後ろではなく、前を歩くようにするのが正しいお客さんのエスコート方法になります。
しかもこの場合、必ず手すり側をお客の側にしておくのがスマートな方法です。あまり研修などで習った知識に凝り固まっていると、いくらスカートではないお客とはいえ、そのお尻を見ながら階段を登るようになってしまいますから、これは後輩の前でもあまり格好が良い姿とは言えません。
何事も応用力が大切ですから、臨機応変に対応できる先輩として、スマートな対応をするように心がけたいものです。
盲点の掟:待ち人編
後輩を同行させて客先の会社を訪問。ちょっと後輩の前でいい所を見せてやろうと、ガチガチのビジネスパーソンぶりを見せつけるのは、あなたが20代であるならば構わないとは思いますが、意外とやってしまっているのが多いミステイクには気をつけるようにしましょう。
それは、相手の企業を訪問して、応接室でいつまでも立って相手がくるのを待っているというシチュエーションです。
「あれ?それ俺もやるけど、ダメなの?」という人も多いかもしれませんね。これはこの場合、座って待っている方がスマートな方法であると言うことができます。
先輩風を吹かせて、座りたそうにしている後輩を見て「ちゃんと気を付けをして待っているんだ」と注意を与えるのも良いですが、2、3分ならまだしも、10分も15分も過ぎているのに律儀に立って待っているのは、「私は臨機応変な行動が取れないマニュアル人間です」と後輩の前で絶好にPRしてしまっているのと同じことになってしまいます。
「ちょっとお忙しいみたいだから、座らせて頂こうか」とさりげなく後輩をエスコートして、相手がくる気配を察知した時に、ドアが開くのと同じタイミングでゆっくりと椅子から立ち上がるのが、パーフェクトな先輩の立ち居振る舞いと言うことができます。
盲点の掟:会計編
まだ社会人になって間もない後輩には、お客さんや取引先との接待の場はとても荷が重いもの。特に話題も振られないのに、ただニコニコと相槌だけを打って過ごす酒席の時間は、後輩にとっては拷問以外の何ものでもありません。
そんな接待でヘトヘトな後輩の前では、会計もスムーズに終えてとっととこの後輩を解放してあげるようにするのが先輩社員としてのあなたの務めです。
でもこの解放間近の会計のタイミングになって時々見かけるのが、「さて、この場合には、どっちが払うべきか」という微妙な場面で、戸惑ってしまっている先輩社員の情けない姿です。
例えばこんな状況を想定してみましょうか。かつて取引関係があり、今は引退をしたその取引先のOBと晩御飯を一緒に食べようなどといったシチュエーションになった場合に、複数人の後輩を連れて行きたい旨をこのOBに伝えて快諾をもらっていたとします。
このOB氏が、「今日の出会いに、ちょっと手土産を持ってきたよ」とその半接待のような飲み会に簡単な包みものを持って来た場合には、あなたは後輩達の前でどのような振る舞いを見せるでしょうか?
この場合、OB氏のメッセージは「自分の分はこの手土産で負担したからね」という内容であり、会計の仕切りはすべてあなたに任せたよという事になりますから、とりあえずはあなたが支払いをしておくのが掟となります。
間違っても「じゃあ、今日は割り勘で」などと恥ずかしい振る舞いは後輩の前ではしないようにして頂きたいと思います。