品質が良ければ商品が売れるのはウソ?ブランド作りの鉄則とは?
どんな商品サービスでも、昔に比べると品質が良くなっていると思います。パソコンでも昔は大きな形で画面も小さく、インターネット回線も今いわれているような高速ではなく繋がるか繋がらないかというぐらい不安定で遅い時もありました。
ですが、そんな時でも30万円と高額なパソコンもあったり、今の薄型で高性能なパソコンがそのころ出ていれば、100万円以上の値段がついたかもしれません。
ですが、それだけ進化しても値段も比例して上がるわけではなく、逆に安くなっているものもあります。品質が高くなるのに値段が上がらないのはどういう理由があるのでしょうか。
品質が上がるのはどこも一緒?
ビジネスで重要視される考えの1つは、周りとの差別化です。なので、たとえ品質が上がってもそれと一緒に周りの品質も上がるのであれば、それは開発している側からすると他よりも凄いと感じることでも、それを買う人が「凄い」と感じないと、周りの商品サービスと一緒とイメージしてしまうようです。
どこも一緒と感じるものにお金を払う理由になるのは、それが安いかどうかではないでしょうか。食べ物でもどこにでも置いてあるようなものはどれだけ美味しくても値段は安くなりますが、そこまで美味しくなくてもそこでしか手に入らない、または限られた期間しか手に入らないものは高くなります。
野菜や果物でもその時期に最初に採られたものや限定性のあるものは、完熟した美味しいものより酸っぱくても辛くても目を見張るような売値で売られることもあります。
かといって野菜や果物は先祖代々から存在するもので、しかも土の栄養が減ってきているといわれる今では昔より質が落ちているかもしれないのに、値段が高くなる、それとは逆にパソコンやテレビなど毎年驚くような進化をする商品サービスの値段が質と共に上がるわけではない。
この違いはどこにあるのでしょうか。それは、どれだけ気持ちの変化を提供出来るかに関係しているようです。
気持ちの変化が強いブランドの秘密?
もちろん値段が高ければ良いというわけではなく、低価格を売りにして大量に商品を生産する企業もあり、それがブランドとしているところもあります。なので、質と値段が高ければブランドというわけではなく、中には値段も質も低いのを売りにして信用を得ているところもあるでしょう。
周りの人に価値を生みだせばそれはお金としてお返しをもらえますが、それがお金を払う価値があるのかどうか、周りと比べて何が優れているのかということが分からないと、同じような商品サービスを扱っているところが沢山あれば、そこから選ばれないと買ってもらえないでしょう。
その基準の1つはどれだけ気持ちの変化を提供出来るかではないでしょうか。テレビも昔よりも比べ物にならないくらい高品質になっていますが、値段は昔よりもありえないような値段で売られているものもあります。
消費者からすると嬉しいことですが、それを提供する企業が複数あり、そのどれも性能に違いがあっても、自分の気持ちの変化を提供してくれることが同じような感じであれば、それはお客さんからそれぞれ秀でたブランドとして見てもらうことは少ないようです。
高級ブランドでもそれに興味がない人は「なぜそんなにこのブランドが良いのか分からない」という反応の人もいるでしょうが、そこにしかない気持ちの変化を与えてくれるブランドであれば、それに高いお金を払ってでも手に入れたいという人がいます。
人の気持ちは沢山あり、しかもそれを満たす方法も人それぞれ違います。寂しさを紛らわすためにライブを見に行く人もいれば映画を見に行く人もいる。
パートナーや家族と時間を過ごす人もいたりと、それぞれがその気持ちを満たしてくれるための商品サービスを求めると思います。
そしてそれはもちろん質の高いものかもしれませんが、必ずしもそうではないかもしれません。なぜ昭和やそれ以前のおもちゃやグッズが高い値段で売れるのかというのも、そこから分かると思います。
何の気持ちの変化を提供するか?
質の高さが値段の高さに比例するわけではなく、気持ちの変化がどれだけ提供出来るかだということが分かれば、ビジネスの作り方も変わってくるようです。競合を意識して自分たちも高品質なものを作ろうとしても、そこに気持ちの変化が他よりも起こせないのであれば売れないかもしれません。
高級ブランドでもそこでしか手に入らないものを使っているわけではなく、それと同じ素材や部品を使って作られたものもありますが、それでもブランド並みの値段で売れないのはそれだけ感情の変化が起こせないからかもしれません。
自分はどんな気持ちの変化を起こせるか、そしてそれは自分オリジナルかどうかを追求し続けると、ずっと信頼されるブランドが出来るのではないでしょうか。