部下への仕事の割り振りは効率ではなく適正で選べ!
どんな会社であっても、全ての社員が同じ立場や階級で働いているということはありません。必ず上司や部下という上下関係が生まれてきます。どんな人でも経験を積んだり実績を残したりすれば昇進し、上司になる可能性を持っているのです。
しかし、世の中の全ての上司が上手に部下の手綱を握ることが出来ている訳ではありません。中々部下を取りまとめることが出来ず困っている上司の隣で、新しく昇格した人間が上手に部下を取り仕切っている、なんていうのはどこの会社でもあることなのです。
現在部下の扱いに困っているという上司の皆さん。良い上司、出来る上司になるためにはどのようなことをすれば良いのか考えたことはありますでしょうか?
立場が変われば仕事の仕方や視点の持ち方も当然変えなければなりません。出来る上司として部下から尊敬の眼差しを向けられるために出来る仕事の振り方を覚えましょう。
使えない部下はいない
ひとまず仕事を任せてみたものの、どうしても仕事が出来ない人間というのは確かにいます。コネ入社だったりお局だったり、教育が十分でなかったりもしくは常識が無かったりする部下の顔を眺めて、「コイツは使えないな」と切り捨ててしまった経験はありませんか?
こう言うと理想論のように聞こえますが、世の中には使えない部下は存在しません。もちろん前述の通り、何をやらせても成果が出てこない人ややる気のない人というはいます。
しかし、どのような人材であっても全体の業務の一部に上手に組み込むことが出来るのが、仕事の出来る上司なのです。
上司の仕事とは何でしょうか。それは、何人、時には何十人もいる部下へと過不足なく適切な仕事の割り振りをすることです。
仕事を振った部下が成果が上げられないということは、単にその部下のスキルが劣っているからということではなく、上司としての采配能力に問題があるということなのです。
どんな部下でも、それまでの人生を生きてきた経験を持っています。あらゆる仕事をやらせてどれ一つとして向いていないという人を探す方が難しいのです。
自分のチームや部署を円滑に回すためには、何よりもまず上司が部下の性質や向き不向きを把握しておかなければなりません。
だからこそ、部下が失敗した時や効率が良くない時は部下を責めず、自分の采配ミスだったと思う度量が必要なのです。
部下へ割り振る仕事は効率重視ではなく適正重視で
上司は自分の下で働いている部下を、出来るだけムダを生み出すことなく効率良く活用しなければなりません。ただ、長期的な視点で考えた場合部下へ割り振る仕事は効率重視ではなく適正重視で行うようにするのがオススメです。
仕事の効率、つまり今出来るこの部下に任せておけば他の部下に任せるよりも短い時間で終わるから、部下に任せるよりも自分でやった方が早いからと日々の仕事を行うのではいけないのです。
もちろん、可及的速やかに解決すべきプロジェクトなどがあればその時は効率優先のチーム編成を行うことも必要です。しかし、日常的な業務を割り振る時は部下の成長を考えましょう。
人は千差万別十人十色、それぞれの適正というものを持っています。どれだけ営業をやらせても開発に回しても仕事は出来なかったけれど、電話受付ならばチーム内の誰にも負けない社員など、意外なところに適正というものは隠れているのです。
そうした適性を見極め発掘するために、受け持っている部下には多少仕事の手が遅くとも向いていそうな仕事を任せるのが良いのです。
確かに慣れるまで、適正のある仕事を割り振ることが出来るようになるまでは大変ですが、そうして部下を育てていくと数ヶ月で飛躍的にそのチームや部署の全体的な処理能力が洗練されていきます。
上司の役目は適切な仕事を割り振り、部下がその裁量の中で出来るだけ高いパフォーマンスを発揮出来るように整えてあげることですので、基本的には部下の成長や全体の実力アップという長期的な視点で考えるのも大切なのです。
そして、出来るだけ多くの部下の適正を見極めるように努力するということは、副次的に他の効果を生むことがあります。それは、一部の部下への負担の集中を防ぐことが出来るということです。
目先のことだけを考えるならば、将来性や適正ではなく今現在最も仕事の手が速く、そして実力のある部下に任せてしまうのが最良です。
しかし、そうした体制はそう長くは続かないのです。難しい仕事は一部の出来る部下だけへ集中し、他のものは忙しそうにしている人の隣で上の空でカフェオレを啜っている、という状況が生まれてしまうからです。
一部の部下に負担を強いていると、部下が体調を崩したり退職してしまいかねません。そうすれば実力者を欠いたチームではその穴を埋めることが出来ず、次々に人員の使い捨てが起きるようになってしまうのです。
だからこそ、部下への仕事は効率ではなく適正で選ぶべきなのです。