部下の指導に悩んでいる上司に捧げる、仕事指導マニュアル
職場で部下の指導をするというのは、上司にとって必要な仕事の一つです。放っておいて勝手に育ってくれる人材も世の中には存在しますが、基本的にはきちんと周囲や上司が指導してあげなければならないからです。
そんな部下の仕事指導ですが、今ひとつ上手くいっておらず悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。上司部下といっても人間です。どうしてもそりが合わなかったりして中々伝えたいことが伝わらないことは良くあります。
そこで、部下の仕事指導に悩んでいる上司の方へと、部下を育てる時に注意すべきこと、その指導マニュアルをお伝えしたいと思います。
自分のやり方にこだわる必要はありません
上司として部下を持っているくらいですから、それなりに仕事の美学や経験を持っていますよね。しかし、そうした自分の経験から得た知識や仕事の方法だけにこだわって指導する必要はありません。
部下といっても色んな人がいます。どうしても自分のやり方でしか出来ないという人や、理論立てて説明しないと納得して上手く動いてくれない人、感情的に発破をかけるとそれに応えてくれる人など、性質は様々です。
もちろん自分が今までやってきたやり方、自分のカラーに賛同して上手く成長してくれるという部下も中にはいるのですが、部下の全員がそうであるということはまずありません。
ですので、上司として部下に仕事の指導をする時は、出来るだけ色んな教え方が出来るように勉強や試行錯誤をしていくことが大切なのです。
部下を叱る時、褒める時は理由をつけましょう
部下の仕事というのは、当然最初から完璧なものが仕上がってくる訳ではありません。必要に応じて上手くやってくれれば良いところは褒め、ミスがあれば叱ることになります。
この時に注意したいのが、部下を褒めるにしろ叱るにしろ、感情的に行ってはいけないということなのです。
ビジネスは感情だけで動くものではありません。感情は常に変化していくものですので、部下の指導をする時の基準として自身の感情を使っていると、同じミスをしてもある時は何も言わず、ある時は烈火のごとく叱る、といったことをやってしまいます。
このように叱ったり褒めたりする時の基準が良く分からない上司には、部下は何を言われるか分からないので積極的に相談に来たりしなくなってしまうのです。
ですので、部下を叱る時、褒める時はそのどちらであっても必ずどうして褒めたのか、どこが良くないから叱っているのかということを部下にきちんと説明しながら行うようにしましょう。
きちんと理由をあげて褒めれば部下は自分のやり方に自信を持ち、更に成長してくれます。叱る時もきちんと筋の通った理由があれば、どこをどういう風に直せば良いのか分かりやすいため、きちんと不備をなくして再度仕事をしてくれるのです。
「とにかくこんなのはダメだ!」「つべこべ言わずにやり直せ!」というのは厳に慎みましょう。
上司として、部下に仕事を任せてしまいましょう
ビジネスにおいて、その人を成長させるために有効なものとはなんでしょうか。幾つかあるかと思いますが、最も手っ取り早いのが責任を与えることです。責任というと重く感じてしまうかもしれませんが、要するにある程度部下に仕事を任せてしまいましょうということです。
上司としては部下の仕事ぶりが気になってしまうのは仕方がありません。しかし一から十までどんな仕事にも上司が部下の仕事へ口を出していたら、部下は自分で考えたり工夫したりする努力を放棄していってしまいます。
多少の不安はあれど、部下に仕事を割り振る時は全て任せてしまうつもりで託した方が良い結果になることもあるのです。どうしようもないミスが生まれないように、仕事の大枠だけを上司が用意しておき、その中をどう埋めるのかは部下に一任しましょう。
どんな仕事であっても、任された仕事を自分の責任の範疇でしっかりとやり遂げるという経験は、部下に自信とモチベーションを与えます。
ミスを防ぎたいということであれば、部下からの報告を密に受けるようにしておくなり、自分からさり気なく進捗状況を確認したりすれば良いことなのです。そうしていれば部下も仕事が出来るようになり、上司としても安心して他の仕事に取り組むことが出来ます。
上司はいついかなる時も冷静でいましょう
部下にとって、上司というのは上役です。上役というのは、常に落ち着いていなければなりません。何故ならば、上司が取り乱していては指示を出す人がいなくなってしまうからです。
だからこそ上司として職場ではいつも冷静でいられるように心構えを持っておきましょう。人は何を言われたかよりも、誰に言われたかを気にするものです。いつも冷静さを心がけることで、部下へ指導をする際にも一目おかれ、素直に聞いて貰えるようになるのです。
予期せぬ事態が起きた時、ミスが分かった時、どんな時でも冷静でいましょう。