自分のビジネスが提供している本当の価値を知ることの大切さとは?
有名なファーストフードチェーンを展開している企業は、周りの人から見ればハンバーガーやシェイクなどのファーストフードを販売しているものだと思われていますが、その本質は不動産だ、というビジネスをしているところもあります。
そうした目に見えない本質、目に見えない価値を知り、それを追求していくことは周りとの差別化に繋がることであり、それが自分にとってのブランドになると思います。
目に見えない価値とは?
こうした例は沢山ありますが、大切なのはそれを扱っている本人自身が知っているか知らないかではないでしょうか。たとえば、自宅にある消火器や定期的に入る保険など自分の身をいざという時から守ってくれるものは、よりその価格を下げたり保証内容を充実させることによって安心感が高まるかもしれません。
ですが、それを知っているのか知らないのかでは取る行動がだんだんと変わってきます。それを求めている人は値段の安さやラインナップの充実を求めているのでしょうか。もちろんそれを求めている商品サービスもあるかもしれませんが、中には求めていないものを提供して上手くいっていないビジネスもあります。
この例の保険などの商品サービスであれば、一番求められているのは安心感かもしれません。それは目に見えるものではなくそれを求めるお客さんの気持ちで、その気持ちをどれだけ大きく満たしてあげることが出来るか、期待以上のものを提供出来るかがそのビジネスの真価ではないでしょうか。
周りと同じようなものを扱っていても、たとえそれが高品質だったとしてもそれを求める人の気持ちは周りと同じだから特別感など感じることがないため、お金を最小限に抑えてお得感を満たそうとする方向にいってしまうかもしれません。
そうなると価格競争になり仕入れ値と利益の差がだんだん無くなってきて、もはやそれを求めている人の気持ちを考える前に自分たちの利益のことを考えることで必死になってしまうかもしれません。
知っているのと知っているつもりの大きな違い
こうした真価を本当に知っているのか、それとも知っているつもりなのかでは全く違う結果になるのではないでしょうか。もちろん表面的に扱っている商品サービスを見れば、それを求める人も何を扱っているのかは分かります。ですが、なぜそれを求めるのかという自分の気持ちを知らないのがお客さんではないでしょうか。
自分はこれを買うことで安らぎという気持ちを満たすために買おうとしているなんて考えている人は、心理学などを学んでいる人などしかいないかもしれません。
ですが、それを扱う側としてはそうした相手の気持ちをしっかり組み取ってあげて、じゃあその気持ちをさらに満たしてあげるにはどうすればいいかということを考えて満足度を上げていくと、自然とブランドが出来るのではないでしょうか。
今では有名になっているブランドも最初は一人の人のビジョンや情熱から始まったものがほとんどです。それを求める人がやまないのはそこからしか得ることが出来ない特別な気持ちの変化を提供してもらえることが分かるからでしょう。なので、ブランドは一度出来たからといって手を抜いたり違う方向に行こうとするとブランドイメージが崩れ上手くいかなくなることもあります。
そういう長期的に見ても、やはりビジネスは自分が心からやりたいと思えることをやらないと、たとえ表面的にブランドが出来たとしてもそこに情熱が注がれなくなったらそれだけ満たされなくなる人が増えることになるので、他に満たしてくれるものを探そうとするかもしれません。
商品じゃなく感情を磨く?
そうして求めているものが物理的なものじゃないことが分かれば、商品サービスを磨くことが必ずしも求めている感情を満たすことにはならないことも分かってきます。
たとえば、どれだけ高級なものだといわれて買っても、それが思っているものと違ったら自分が求めている気持ちが満たされないかもしれません。ちょっとボロっとしているのが海外では高級の証しだといわれても、自分の国ではただのボロい服を着ている人だと思われたら、求めていた気持ちより恥ずかしさなどの気持ちが満たされ、クレーマーになる人もいるかもしれません。
そう考えると、いかに見栄えや量、品ぞろえを増やすかということも大切ですが、それからどんな気持ちを満たそうとしているのかを知って、どうやってさらにその気持ちを大きく満たすことが出来るかを考えて、磨いていくことが大切かも知れません。
ラーメン屋さんでもしょうゆ味しか置いていなくても人気が高いところもあれば、やたら品ぞろえが多いだけで人気がないところもあります。それは、そこから満たされると思っている気持ちを満たしてくれることが分かっているかどうかの違いではないでしょうか。