アナログとデジタルの融合!木製スピーカーボックスを自作する方法【その1】
スピーカーボックスは木材を組み合わせるだけで簡単に作成することができます。
スピーカーボックスは比較的に簡単に楽しむことのできる自作オーディオなのです。
今回は木製のバスレフ型スピーカーの作成方法について紹介します。
【今回使用する材料と道具】
・木材(無垢)
※今回のスピーカーボックスでは無垢材を使用します。無垢材の特徴は木目など木材本来の質感をもっているという点にあります。歪みやすいというデメリットもあるので好みに応じて木材を選びましょう。
・三角棒(木材)
※板を張り合わせる為に三角の木材を使用します。
・木工用ボンド
※木材を張り合わせる為に木工用ボンドを使用します。
・その他DIY用品
※切る、穴を開けるなどの基本的なDIY用品を用意しましょう。
【難易度:★★★☆☆】
基本的な作業は非常に簡単な作業ですが、バスレフダクトを通す穴を開ける作業が少々面倒な作業になります。ホルソーなど専用の工具が無い場合には手作業で穴を開ける必要があります。
【材料のカッティング】
今回は
12.5cm×19cmの板を2枚…①
11cm×19cmの板を2枚…②
12.5cm×12.5cmの板を1枚…③
を使用してスピーカーボックスを作ります。
※天板は後でサイズを合わせて作るので最初の段階では上記の5枚のサイズでサイズを取りましょう。
(番号は解説の際に使用します)
サイズを確認したら、カッティングは通常通り行います。板が薄くことや、無垢材の割れやすいという特性から、強い力を加えると割れてしまうので作業は慎重に行いましょう。
板のカッティングを終えたのが上の写真です。
※サイズの違いによって板は3種類あるので、混同しないように目印などを付けておくと良いでしょう。
続いて三角棒を19cmの幅で切り取ります。
19cm幅の三角棒は4本用意します。数を見ても分かるように、これは箱の四隅を接着する為の使用する木材です。基本的な木材の加工はこれで完了です。
【スピーカーボックスの組立】
スピーカーボックス組立の作業は木工用ボンドを使用して行います。接着が基本的な組立は木工用ボンドによって行うのでボンドは多めに用意しましょう。
まず①の板に三角棒を接着します。板と三角棒2本を用意しておきましょう。
木工用ボンドを三角棒に塗布します。
※ボンドは多めに塗布するのがポイントです。
三角棒を板に合わせて接着します。板の幅が2種類あるのは内側に入り込む板と、外側の板の2種類があるためです。幅の短い板は“内側に入り込む板”になります。
もう片側も三角棒を接着します。
両サイドに三角棒を接着したのが上の写真です。
同じく①の板に三角棒を接着し同じパーツを2種類用意しておきます。
さて個々まで作業を行って気が付いたのですが、無垢板には“反り”という問題が生じてしまいます。上の写真のように“反り”によって接着部分に隙間ができてしまっています。
反りの問題を解決する為に木材に錘を乗せて修正します。
横から見るとこのような感じです。②の板を使用して木材を重ねて反りの修正を行います。
※万力などを使用すれば、錘よりも確実に曲がりを修正することができます。
ボンドの乾燥待ち錘を外したのが上の写真です。反りの修正できているようです。
横から見ると上の写真のように反りが無くなっているのが分かります。
※一度ボンドが乾燥してしまうと剥がすのは難しいので、反りの修正はボンドの乾燥していないタイミングで行うのがポイントです。
続いて、②の板を出来上がったパーツに接着します。上の写真のように②の板の内側になるように箱組みを行います。
前の手順と同様に多めにボンドを塗ります。
左右同時にボンドを塗り広げ、板を乗せるように接着しましょう。
慎重に裏返し、反対側の接着を行います。
両方にボンドを塗り広げます。
板を乗せ、数十分放置しボンドが軽く乾燥するまで待ちます。
ボンドが軽く乾燥したら箱を立て、箱のバランスを整えます。
※乾燥してしまうと修正が難しくなるので、箱のバランスは慎重に調えましょう。
箱のバランスを整えた後は、静かにボンドの乾燥を待ちましょう。
上の写真のようにボンドが透明になればボンドの硬化は完了です。箱を叩いて軽い音が響けば内部のボンドも乾燥している証拠です。ボンドの乾燥は気温や湿度によっても異なりますが、1日以上の時間が必要です。
乾燥が終わったら、続いて③の板を貼り付けます。
※③の板は上下どちらに貼り付けても構いません。
接着させる部分が少ないので木工用ボンドは多く塗布しましょう。接着した箇所を下にして、錘などを使用して確りと接着させましょう。これで、基本的なスピーカーボックスの接着は終了です。
【スピーカーユニット取り付け穴の作成】
スピーカーボックスには欠かせないスピーカー取り付けのための穴を開けた板を作成します。
今回はバスレフダクトを正面に、スピーカーを上部に位置させるようなスピーカーボックスを作成します。穴を開けるということに対して無垢剤は強度不足なので、ベニア板を使用して作成します。
ベニア板に丸く穴を開ける上で便利なものが「木材用手動穴あけカッター」です。ドリル先につけるタイプではなく手動のタイプなので電動工具に慣れていない方でも簡単に丸い穴を開けることができます。
さて、今回スピーカーボックスではパッシブ型のスピーカーを作成するので、アンプは内蔵しません。
ベニア板に穴を開ける前にスピーカーのサイズを測ります。このスピーカーは直径10cmの穴を開ければ良いという事か分かりました。
木材用手動穴あけカッターを半径の5cmに合わせます。
12.5cm四方にマーキングをつけたベニア(まだ切断はしていません)の中心に目印を付けコンパスのように回転させながらベニア板を切ります。
一度で切るのではなく、弱い力で何度も切るという方が綺麗に切ることができます。
※穴あけカッターが無い場合にはドリルで数珠状に穴を開けることでも円形の穴を
無理な力を加えず回せば上の写真のように綺麗に円形にカットすることができます。
念のためスピーカーに合わせサイズが合っているのかを確認します。
※ここで穴のサイズが小さ過ぎる場合には紙ヤスリなどで穴の大きさを調整するようにしましょう。
スピーカーの穴のサイズが問題なければスピーカーボックスのサイズに合わせてベニアをカッティングします。
今回のスピーカーボックスのサイズでは12.5cm×12.5cmです。
【スピーカーボックスの修正と微調整】
仕上がったスピーカーの入る蓋の部分を乗せたのが上の写真です。ここからは接合部などの修正や微調整を行います。
箱組みの終わったスピーカーボックスの角や表面などを棒ヤスリやサンドペーパーで磨きます。
サイドを曲面に仕上げるなど表面の加工は好みで行いましょう。
使用中にベニアの破片などが入らないように穴の周囲もヤスリで磨きます。
【バスレフダクトを通す穴の作成】
今回作成するスピーカーボックスはバスレフ型であるということからバスレフダクトを通す穴を開けます。バスレフダクトの位置に決まりは無いようなので、今回は前面の下側に配置するようにしました。
今回は3.8cmの塩ビパイプをバスレフダクトにすることから3.8cmのホルソーを使用して穴を開けます。
電動ドリルにホルソーを取り付け穴を開けます。
※スピーカーの穴とは異なり表面で目立つ場所ということから、ホルソーなど綺麗な穴を開けられる工具がオススメです。
ホルソーで穴を開けたのが上の写真です。前半のスピーカーボックス作成は以上で終了です。後半はバスレフダクトの取り付けとスピーカーの取り付けを行います。
【まとめ】
スピーカーボックスの作成は基本的に箱組み作業が中心になります。今回は簡易的に四角く組み立てる方法を紹介しましたが、他にも様々な箱組みの方法があります。
箱組みの方法さえ覚えれば形は自由自在なので是非挑戦してみましょう。