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小説作家入門!シナリオを書く上での基本、『構成』とは何か?

小説に限らず、物語を書く上で重要となってくるのは『構成』だ。起承転結のルールを守りながら物語の形を作り上げていくことはそうそう容易なことではない。それこそ、きちんとした知識が頭に入っていなければ、少しのミスで物語のバランスは一気に崩れてしまう。

構成とは一つの世界、例えるなら地球なのである。これから考えていくキャラクターや事件、ジャンルなどを物語に組み込んでいく上で、構成はしっかりとした土台である必要があるのだ。

普段、あなたたちが映画や漫画を観ても構成を意識することは少ないと思う。しかし、これが面白かった、あれがつまらなかったという感想を持つことは出来るだろう。それは無意識に、構成というものを感じている証拠である。

構成が上手くいっていれば面白い作品が完成しているはずだし、逆ならばつまらないで当たり前だ。一度、一本の作品をじっくり鑑賞し、研究していくのも大切なことである。では、構成とはいったい何なのか。基礎を説明していこう。

起承転結の波

構成イコール『起承転結』である。そのルールは覆されるものではなく、昔から根付いてきた絶対ルールだ。守ることを第一条件に考えなければならない。これが出来なければ、どんな作品であっても人の心を動かすことは難しいだろう。

物語には『波』というものが存在する。「盛り上がる場所」と「盛り下がる場所」だ。その波が上がったり下がったりすることで、人はその作品に心を揺すられていく。それをコントロールすることが起承転結をうまく使うコツである。

『起』から物語が始まり、『承』に進展していくに連れて、これから始まる事件に人は興奮する。これが波の高くなっていくポイントだ。『転』ではキャラクターに不幸が訪れ、このとき悲しみや怒りを感じることで波は下がっていく。

しかし『結』になれば、主人公の大逆転劇などで再び感情が高ぶり、波は上がる。そしてラストのシーンで徐々に人の心は落ち着き、物語の幕が下りるのと同時に、人の波も下がり落ち着く。このように人の心を操作していく。『感情コントロール』を意識することが大切である。

パターンを考える

物語にはパターンというものが存在する。ジャンルとはまた違い、言わば『構成の種類』だ。例えば、特化した能力、才能を持った主人公が一つのミッションを背負い、敵と戦い勝利する。良く目にする『戦闘のパターン』であるが、これはかの有名な『ミッション イン ポッシブル』で使われている。

他にも、苦難を乗り越えながらも、ある目的地に向かい主人公達が冒険を続ける『ロードムービーパターン』があり、これは『西遊記』で使われている。

仲間を集め、それぞれ個人のエピソードを解決していく『中間集めパターン』というのもあるが、この技法はアニメ『ワンピース』で使われ、この場合『ロードムービーパターン』との組み合わせによって構成されている。

他にも10種類以上のパターンは存在し、これらは昔から考えられてきたものばかりである。上手く使っていくだけで、構成はある程度理解することができるはずだ。

白雪姫

パターンの一つの例として、グリム童話にある『白雪姫』を一つの参考に説明していこうと思う。誰でも知っている話だろうから、内容を説明する必要はないだろう。

白雪姫で使われているのは『復讐のパターン』というものだ。つまり主人公が敵に対して復讐をやり遂げ、物語はハッピーエンドを迎えるというものだ。

毒りんごを食わされ死んでしまった白雪姫だったが、そのとき現れた王子のキスにより甦り、姫に恋した王子の協力により魔女を撃退する、という物語だが。重要な点としては、城を追い出された白雪姫が強力な助っ人を手に入れ、また城に戻るというところである。

一度は負け、別の場所で力を得て、二度目で勝つといった手法が『復讐のパターン』の基本となる。そのため、敵役は情の湧かないほどに残酷な性格である必要があるのだ。これが、白雪姫に使われたパターンの詳細である。

感情コントロール

最後に、『感情コントロール』というものを説明しようと思う。構成がうまくいっている作品は、必然的にこの感情コントロールが成功している場合が多い。

どういうことかというと、例えば主人公がヒロインと別れなければいけないとき、客を悲しませることができるか、敵に捕まり散々な目に合わされているシーンで、客をイラつかせることができるか、といったものだ。

構成とはつまり物語の流れで、時間が経つに連れて主人公の感情や状況に客を共感させていかなければならない。「出会い」があり「発展」し「事件」が起きることによって、そこに生まれる感情というものを客に伝えることが大事なのだ。

その為には、構成をしっかり組まなければならない。伏線をうまく使い分け、感情コントロールをできるようになれば、それは構成が成功した証でもあるのだ。

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