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相撲の殿堂・両国国技館!無借金で建造できたその理由とは!?

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2014.10.03

手元に2枚の駐車場領収書がある。

いずれも数年前に近鉄花園ラグビー場へ車で行った時の物だ。1枚はラグビー・トップリーグ、もう1枚はラグビー日本選手権一回戦を観に行った時の領収書である。駐車した場所も同じ、駐車料金も同じ千円だ。

ところが、領収書に書かれている内容が違う。トップリーグの領収書には「駐車券兼領収書・¥1,000」と書かれている。当たり前だ。駐車料金を支払い、領収書にもそのように書かれているので、何の問題もない。

しかし、日本選手権の領収書には「大会協力金・¥1,000」と書かれていた。トップリーグの時と同じ場所に駐車したのに、なぜ素直に「駐車料金」と書かないのだろう。

その秘密は、領収書の下の方に書かれていた。トップリーグの時の領収書には「近鉄花園ラグビー場」と書かれ、日本選手権の方は「大阪府ラグビーフットボール協会」とある。

トップリーグとは純然たる興行である。だが日本選手権は財団法人日本ラグビーフットボール協会が主催する大会だ。つまり、トップリーグの時には駐車場の管理は近鉄花園ラグビー場が行っており、日本選手権の時には日本ラグビー協会の下部組織である大阪ラグビー協会が管理していたのである。

トップリーグは営利目的で行われるため、当然のことながら課税対象となる。しかし、ラグビー協会という財団法人が主催する日本選手権は税的優遇が受けられるのだ。だが、駐車料金を徴収するとその分は課税対象となるので、領収書には「駐車料金」とは書かずに「大会協力金」と書くのである。財団法人に協力するのだから非課税になるというわけだ。

神社などに参拝した時、駐車料金の領収書に「祈祷料」などと書かれていることはないだろうか。これも「駐車料金」と書くと課税対象になるので「祈祷料」と書き、宗教法人の行事として非課税とするためだ。

公益財団法人となった日本相撲協会

今年の1月30日、財団法人日本相撲協会は公益財団法人日本相撲協会と改称した。つまり頭に「公益」という文字が入ったのである。では今までは公益法人ではなかったのか?

そうではなくて、今までだって相撲協会は公益法人だった。ただ、法律が変わって昨年12月に財団法人は公益財団法人と一般財団法人に分けられたのである。

公益財団法人と一般財団法人の違いは、簡単に言えば審査が厳しいか厳しくないか、ということである。一般財団法人への移行は、さほど難しくはない。その代わり、税制優遇は受けられない。公益財団法人になるためには、以前の財団法人よりもかなり審査が厳しくなる。

相撲協会は、より厳しい審査が待っている公益財団法人への道を選んだ。ただ、それはかなり難しいと思われていた。

特殊な公益法人

公益法人とは、わかりやすく言えば「儲けてはいけない団体」即ち非営利団体である。もちろん、運営には金がかかるので、入場料を徴収するのはいい。結果的に余剰金が出るのも仕方がないだろう。余剰金は、後年の赤字に充てるために必要な場合もある。だが、営利目的の団体では認可されないのだ。

しかし、相撲協会は年6回の本場所で高い入場料を課し、かなりの儲けがあると思われる。どう見ても営利団体としか思えない。

相撲協会は昔からかなり特殊な公益法人だ。余剰金と呼ぶにはあまりにも多額な留保金があり、力士や協会役員には高い給料が支払われる。こんな公益法人は、相撲協会以外にはない。

1985年、老朽化した蔵前国技館を取り壊し、新たに両国国技館を建設した。建造費は150億円もかかったが、相撲協会は両国国技館を無借金で建てたのだ。要するに、当時の相撲協会には150億円の留保金があったのである。こんな公益法人もあるまい。

おまけに、相撲協会は公益法人として税的優遇を受けているので、国技館の固定資産税はほとんどかからない。これほど恵まれた組織は他にないだろう。要するに「相撲は国技」という理屈だけで、これだけ優遇されていたのだ。

大胆な改革が急務

近年の相撲協会は不祥事が相次いだ。力士暴行死亡事件、八百長問題、野球賭博、暴力団との癒着など、いずれも公益法人にはあるまじき失態だ。おまけに、年寄株の授与に関しては億単位の札束が飛び交い、金銭のやり取りがあまりに不透明である。もちろん、税務署には申告されない。それでも公益財団法人でございますなどと言って税制優遇を受けるとなると、納税者は納得するまい。

しかし、今年に入ってようやく公益財団法人の認可が降りた。これで相撲協会の面々が「してやったり」などと思うのなら、日本の大相撲に未来はないだろう。

相撲協会は、近年大問題をもたらした旧態依然の体質を浄化しなければならない。「相撲は国技」なんて法律はどこにもないし、もうそんな理屈は通用しない。

「公益財団法人日本相撲協会」は、大胆な改革の断行が急務である。

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