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ノーサイドってどういう意味?外国では通用しないラグビー用語

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2013.06.05

最も有名なラグビー用語

政党の党首選が終わると、新党首が対立候補に対して「これでノーサイドにしましょう」と言っている場面をよく目にする。「もう戦いは終わったのだから、同じ党員として頑張りましょう」ということだろう。

ノーサイドとはラグビー用語で、試合終了を意味する。「ゲームセット(game set)」とか「タイムアップ(time up)」とかではなく「ノーサイド(no side)」というのは、試合が終わればサイドがない、即ち敵味方なしという意味だ。いかにもラグビーらしい言葉である。

かつて、ユーミンこと松任谷由実が「ノーサイド」という歌を歌ったことがあるが、題材はもちろんラグビーだ。ユーミンのおかげで多くのラグビーオンチの女性でも「ノーサイド」という言葉だけは覚えたのではないか。おそらく「ノーサイド」はラグビー用語の中で最も有名な言葉である。

「ノーサイドってなんですか?」

ところが、来日した外国人の一流ラグビー選手に対するインタビューで、外国人選手が海外のラグビー事情を説明したところ、日本のラグビー関係者が「ノーサイドの精神ですね」と言ったが、外国人選手は「ノーサイド?聞いたことないですね」と答えた。

なんと、日本では政治家やラグビーオンチの女性ですら知っている「ノーサイド」という言葉を、ラグビー先進国の一流選手は知らなかったのである。たしかに海外のラグビー中継では、試合終了の時に「NO SIDE」というテロップを見たことがない。

画面に表示されているのは「FULL TIME(フルタイム)」という文字である。「時間いっぱい」という意味で、ノーサイドと比べると随分味気ない表現だ。ではなぜ、日本のラグビーのみ「ノーサイド」という言葉を使っているのだろう。

ラグビーの風習

よくはわからないが、NO SIDEという言葉は日本ではなく、海外(おそらくイギリス)で生まれたのだろう。海外ではラグビーの試合終了後に「アフターマッチ・ファンクション」という催しを行う風習があった。さっきまで血を流して戦った選手たちが、敵味方関係なく食事をし、酒を酌み交わしながら談笑し合うのである。

「ノーサイド」という言葉はここから生まれたのではないか。試合が終わると「さあノーサイド(敵味方なし)だ。ビールを呑もうぜ」なんてことから発生した隠語なのかも知れない。

その様子を見た日本のラグビー関係者が、「海外のラグビーにはこんな素晴らしい風習があるのか。試合が終わればノーサイド、うん、いい言葉だ」として、日本に広めたのではないだろうか。

それがいつしか「ノーサイド=試合終了」を意味するようになったと思われる。もっとも、これは筆者の憶測であり、真相はどうかわからない。ただ、日本ではつい最近まで、レフリーは試合終了の時に「ノーサイド」と言っていた。それをやめたのは、海外ではノーサイドという言葉を使っていないとわかったからだろう。

とはいえ、前述のインタビューでもわかるように、外国人選手が「ノーサイド」という言葉は知らなくても、海外にも「ノーサイドの精神」が残っていた。言葉は廃れても、伝統は脈々と受け継がれていたということだ。

「ノーサイド」とは美しい言葉である。ラグビーに限らずあらゆるスポーツ、さらに一般社会でも広まって欲しい精神だ。

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